リスティング広告講座〜番外編〜【Google広告の構造②】

リスティング広告講座の番外編として、Google広告の内部構造について解説しています。前回は「アカウント」「キャンペーン」「広告グループ」「広告」まで触れたのですが、一番最後の「キーワード」だけは分ける形にしました。こんかいはキーワードについての考え方を解説します。

1)キーワード

内部構造の最後が「キーワード」です。広告グループの中に設定したキーワードを使った検索ユーザーに対して広告が表示される仕組みになります。キーワードには「マッチタイプ」と言われる「キーワードに対する類似性の誤差を認めるかどうか」や「キーワードの語順の正確さ」などのルール付をすることができます。この辺りはまた詳しく解説したいと思います。

先ほども書いた様に、「広告グループの中に設定したキーワードを使った検索ユーザーに対して広告が表示される」仕組み、というところに一つのキモがあります。それは、「設定したキーワードと広告の関連性(整合性)」です。

前回も出てきました、あの中古車屋さんをまた例にとりましょう。(極端な例になりますが)

「スポーツカー」と「軽自動車」を売りたいために広告を出します。広告グループは「スポーツカー広告」と「軽自動車」広告を作成して、それぞれにキーワードを設定しました。

ところが、「スポーツカー広告」グループの広告に「中古の国産高級車が驚きの安さ」と入力しました。

さらに、「軽自動車広告」グループの広告に「高級車が新車でもお手頃価格で」と入力しました。

この場合どういう結果を産むのかです。広告グループの項目でも書きましたが、ユーザーが求めているものと違う内容の広告を出してもまず効果が出にくい、というのが一つです。

さらに言うと、「スポーツカー」や「軽自動車」というキーワードと「高級車」という広告の関連性(整合性)の低さ」が広告表示そのものに悪影響を及ぼします。中古車を売りたいのに「新車」と広告に入れている軽自動車広告グループはもう少し酷いですね。

残念ながら、広告は出稿すれば必ず表示される、という保証はありません。検索結果の画面に用意されている「広告枠」は、検索結果画面の上部に最高4つ、最下部に最高3つと決まっています。

この広告枠を自社と競合の企業とで場所取り合戦を行って、買った企業が広告を出せる仕組みです。要は場所を「セリ落とす」のです。その競り落とす時にかかるお金が「入札価格(クリック単価)」になります。

では、どの企業がその「セリ」に勝てるのでしょうか?それを決めるのが「広告ランク」と言われる「広告のパワー」です。単純な計算式にすると…

広告ランク=入札価格(1回のセリの上限額)×品質スコア(広告とキーワードの質)

で決まります。先ほどの中古車屋さんの場合では、「スポーツカー」「軽自動車」というキーワードに対して、「高級車」という広告が表示される形に設定されています。キーワードと広告の関連性が高くありませんので、品質スコアが低くなります。

同じ車じゃないか。と思いがちですが、他の中古車屋さんが「最新スポーツカーが安い」とか「家計に優しい軽自動車がオススメ」など、キーワードに合わせた広告文を作って出稿している場合、キーワードと広告の関連性という指標を見てら、確実に先の中古車屋さんよりは品質スコアは高くなります。

それでも勝つためには、要は「入札価格を上げる」しかないのです。入札価格を上げるイコール「よそより高いお金を払わなければならない」と言うことです。
さらに入札価格も抑えめに設定していると、基本セリ負けることが多くなり、広告の表示すらままならない可能性もあります。

ですので、「キーワード」と「広告」はセットで考えなければなりません。これをきちんと行おうとすると、どうしても1つの広告グループだけで幅広いターゲットにアプローチできる様にする、と言うのはなかなか難しいことなのです。

故に、考え方として、広告グループは「同じカテゴリ、テーマのキーワードの集まり(キーワード群)を作る」ことと「それに関連する広告文を作る」作業がセットになるもの、と考えた方がいいでしょう。

遡って、設定した広告グループの広告を「いつ」「どこで」「誰に」「どの様に」「幾らくらい使って」出すのかをキャンペーンで設定する、と言うことになります。

これまでのまとめ

以上、2回に渡って、「Google広告の内部構造」の解説を行いました。各項目については更に細かく解説する機会を設けたいと思います。
大まかな構造を理解しておくと、設定の際の勘違いやミスを防げますので、この記事がお役に立てれば、と思います。