ECサイトで売り上げが伸びない!WEB制作者が伝えたい7つの理由

2020年からのコロナ禍において、対面での商品販売が難しくなり、販路を確立するため新しくECサイト(ネットショップ)を作ったという企業も多いのではないでしょうか。

いまネットショップというのは、制作会社やECシステムに大金を払って作らずとも、個人が無料で開設して、手軽に運営できるものになっています。専業主婦の方々が、家事の合間にBASE(無料で始められるECサイトシステム)でハンドメイド品を売ったり、フリマアプリのメルカリを活用していることも、2021年では「当たり前」になりましたよね。

ネットショップの開設が手軽になったということは、現代には「ネットショップが溢れている」ということ。どんな商品にも、独自開発したものやよほど珍しいものでなければ必ずといっていいほど「ライバル店」があるでしょう。

そんなネットショップ戦国時代を生きていこうとしている企業で働く担当者の方々は、きっと「売り上げの伸びづらさ」を実感し(または上司から鋭く指摘され)、頭を抱えているケースも多いはず。

そこで今回は、実際にECサイトを制作して販売し、実績を上げているネットショップ制作者として、「なぜ売り上げが伸びないの?」という疑問に5つのポイントをお伝えしたいと思います。

【基本編】

まずはネットショップを運営する上での基本のキから。

「何度も会議を重ねて、ECサイト制作のプロにつくってもらったから間違いない」と自信のある担当者さんは読み飛ばして「分析編」へどうぞ!

ネットショップそのものが古い、スマホ対応していない

もし、「売り上げが上がらない」と悩んでいるネットショップが5年、10年前に作ったものなら、売り上げが伸びないのはその「古さ」のせいかもしれません。

Amazonや楽天など大手のネットショップ(モール)は常にデザインや使い勝手を考慮して更新をしていますよね。もちろん、1企業が運営するネットショップに大手ほどの更新頻度は無くて良いですが、「時代にあったネットショップ」であることは絶対に必要です。

もしもBtoCのビジネスとして個人客をターゲットにしているにも関わらず、スマホ対応できていないのなら、その古さはネットショップにとって致命的なものです。商品のジャンルによっては9割程度の見込み客を逃している可能性もあります。

商品画像や商品情報が少ない

ECサイトで商品を購入するときと、実際の店舗で購入する場合で最も違うのが「商品を手に取れない」こと。

ネットショップを利用するユーザーの多くが、「商品を手に取らずとも、欲しい商品の情報が十分にわかる」ことを求めています。

たとえば「ソファを買いたい」と思ってスマホで検索をかけた際に、ECサイトにたどり着いたとします。でもそのECサイトでは、ソファを正面から撮影したたった1枚の商品画像だったり、ソファのサイズや、何の素材でつくられたソファなのかが書いていなかったら、あなたはそのネットショップで数万円の商品を購入しますか?

よほど正面の商品画像で惚れ込むか、激安の商品でない限り、「買う」と即答する人はいないでしょう。

店頭販売ではソファに直接触れることができて、質感もわかるし、お客さんがメジャーを使って自分でサイズを測ってもらうこともできます。値段だけ商品の横においていればいいですよね。

でもECサイトでは、想像以上にたくさんの情報を求められます。「この商品を自分が買うときにはどんな情報がほしいだろう」と考えて、必要な情報をリストアップし、しっかりと明記することが大切です。

決済方法が少ない、送料がわかりにくい、などユーザビリティが悪い

決済方法が「銀行振込」のみしかない。決済画面まで行かないと送料がいくらなのかわからない。

こういったユーザービリティに直結するポイントを見落としていると、「商品を買いたい」と思ったせっかくの見込み客を取り逃がしてしまう重大な原因になります。

ユーザーは、大手のネットモール(Amazonや楽天・ZOZOタウンなど)の快適なユーザビリティをネットで買い物をする上で「当たり前」のことだと思っています。

ネットショップのサービス提供側が作ったテンプレートを使用する際にはこのユーザビリティが満たされていることも多いですが、企業が初めて作成するネットショップでは「ユーザーの使いやすさ」という点はなかなか見落としやすいポイントだったりもします。

たとえば、あなたが楽天とAmazonの両方で同じ商品を見比べたとき、より商品の到着が早いAmazonを選んだり、よりポイントがたまってお得に買える楽天を選んだりしますよね。

モールと1ECサイトで違いがあるのは当然のこととはいえ、よほど「このネットショップにしかない」という商品でない限り、ユーザーは「他店との比較」を行います。

もしAmazonや楽天においてあるものと同じ商品を扱っているのなら、自社のネットショップを選んでもらうためには決済方法や情報のわかりやすさ、届くまでの速さ、値段、接客の丁寧さなど、どこか1つの部分でもいいので優っているとまではいかなくても、同等である必要があります。

本当に「売れる」商品を置いているか

商品については上記で少し触れましたが、あなたのECサイトで扱っている商品はAmazonや楽天など大手のモールでも取り扱われている商品でしょうか。もしそうなら、上記の大手モールに優っている点は値段や迅速性など、何かありますか?

値段や迅速性で優っていないのなら、たとえば、カーテンだけをたくさん置いている店であるとか、椅子だけを扱っているとか、そういった専門性はあるでしょうか。

その商品が本当にニーズがあって「売れる」ものなのか、「売れる」ための戦略をとっているか、考えてみましょう。

【分析編】

さて、ここからは分析編です。

上記の「基本編」にあるようなことは除いて、あくまで「商品情報もユーザビリティもちゃんと考えて作ったはずなのになんで売れないの?」とお考えの方のために分析のポイントをまとめてみました。

・そもそも見込み客に見つけてもらえているか

ECサイトで売っている商品をGoogleで検索をしたときに、上から何番目に出てきますか?

たとえば、ソファとか照明とか、ジャンルで検索をかけた場合にAmazonや楽天・またはその他の専門店に押されて、かなり下の方の順位で表示されているのではないでしょうか。

情報量という点が重視される現在の検索エンジンでは、ひとつのECサイトが検索で上位表示されるのは至難の技です。どんなに自信のある商品を販売していても、「見つけてもらえない」という情報を打破しなければ売れるはずがないですよね。

ECサイトのアクセス解析で、あまりにも1日のアクセス数が少ない、という場合にはまず集客するための方法を考えましょう。

・SNSを始めて、そこからの流入を狙うのはどうか。
・web広告を出して、認知度を高めるのはどうか。
・必ず上位表示されるスモールワード(ソファなら「ローソファ 3人がけ 革」など)を狙ってみるのはどうか(SEO対策の強化)

など、手段は様々です。

特にweb広告に関しては日毎に予算がかかるため、しっかりと広告戦略を立ててから望むと良いでしょう。自社で広告出稿が難しいようであれば、広告代行をおこなっている会社に依頼するのもアリです。

ECサイトのデザインと商品の価格やブランド力が合っていない

たとえば、30万円の椅子を売るECサイトと、1~3万円程度の椅子を売るECサイトのデザインが同じだった場合、あなたはどう思いますか?

1~3万円程度の椅子ならば、ECサイトのシステム会社が提供している無料テンプレートなどを使用すれば思った通りの売れ行きをするかもしれません。

しかし30万円の椅子を買ってほしいサイトが無料のテンプレートでは、その「ブランド力」は乏しいと言えるでしょう。

もちろん、無料のテンプレートが悪だと言いたいわけではありません。
メイン画像を変えるだけでもすぐにECサイトを開設することができるという点では無料テンプレートはとても便利です。

でも、その「売りたい商品」をより買い手に選んでもらうためには「ブランド力」が必要です。

もしあなたのECサイトが女性をターゲットにしたパステルカラーのかわいい商品を売っているにもかかわらず、ECサイトの背景が真っ黒だったり、サイトのデザインが無骨だったりしたら、きっと同じ商品を売っているパステルカラーを使ったフェミニンな雰囲気のサイトにお客さんを取られてしまうでしょう。

高級感やモダンな感じ、カジュアル感、などターゲット層に合わせたブランド力を高めるには、サイトのデザインを見直すことが必要です。

ECサイトの事業者として信頼を得ているか

ットショップが溢れている昨今では、「ネットショップ詐欺」という言葉も頻繁に耳にしますよね。それを受けて、消費者もネットショップに対しての「危機意識」が芽生えています。

よくテレビのワイドショーでいわれているのが「信用できない業者からは買わないこと」。

では、信頼できるかできないかの線引きは、ユーザーにとってどこで行われるのでしょうか。

その企業の実態が本当にあるものなのか、というのはユーザーにとってネットショップ上の情報だけで把握できるものではありません。正々堂々と事業をおこなっているのだから、ECサイトに情報が少ないからといって「怪しい」と感じられてしまい、売り上げに結びつかないというのは悔しいですよね。

その解決策のポイントのひとつとして、「コーポレートサイト(企業のホームページ)があるかどうか」というのはとても大事なことだと思います。

ECサイトからコーポレートサイトへのリンクがあることによって、ユーザーには実態のある会社だと安心感を与えることができます。また、電話での問い合わせが可能かどうかも大切です。ECサイト業務に関わる社員数などによってはなかなか対応が難しいかもしれませんが、わかりやすい位置に電話番号があることで「すぐに問い合わせられる」という安心感を感じてもらえます。

サポート対応は丁寧に行なっているか

上記の電話対応にも通じる部分がありますが、ECサイトで意外と大切なポイントの1つに「サポート対応(接客)」があります。お問い合わせのメールや電話に対して、きちんと丁寧な対応をしてくれないと、直接会うことができない見込み客は他の選択肢(他のECサイト)にいとも簡単にあっさりと、移ってしまいます。

ネットショップが溢れている今だからこそ、人間対人間のサポート体制を重視することにより、他のECサイトから一歩抜きんでることができるかもしれません。

まとめ

今回は「ECサイトで売り上げが伸びない理由」についてお話してきましたが、いかがだったでしょうか。少しでも企業のECサイト担当者さんの、お悩みの解決になったらいいなと思って書かいただきました。

もし今回の記事をご覧になられた上で、「うちのECサイトはなんでこんなにアクセス数がないんだろう」「頑張って作ったのにどうして売れないんだろう」「分析してほしい」とまだお悩みの方がいらっしゃいましたら、弊社でも何かご助力できることがあるかもしれませんので、お気軽にご相談くださいね。

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