マーケティングから見る企業サイト制作のポイント

企業のホームページを制作するにあたって、皆さんは最初に何を意識しますか?

商品の魅力をユーザーに分かってもらうこと?

商品の価格的優位性をユーザーに分かってもらうこと?

それとも施設・設備の特徴やスタッフの人間的魅力を伝える?

ゴールとしての「商品・サービスの販売」といった最終目的へのルートの道程としては、前述の例は全て正解です。なぜなら、ホームページを公開する目的のひとつとしては「ある課題を解決したい/ある目的を達成したい」と考えるユーザーにとって「その課題の解決や目的が達成できる」と感じてもらうことにあるからです。

しかし実際は、まず「自社のホームページを見てもらう(検索で見つけてもらう)」ことが最初の課題になる場合が多いのではないでしょうか。

この記事では、ホームページからのお問い合わせの獲得を目的とする企業サイト(コーポレートサイト)を作りたいと考えている方、または現在のホームページにアクセスや集客の課題があると考えている方に役立つような情報をお届けしたいと考えています。

1)ホームページ制作の前に

実際にホームページ制作に取り組む前にまず考えてください。

「なぜホームページを作るのか」

ここでいう「なぜ」は
「現在ホームページが無いから」「ホームページが古くなったから」
といったことではなく、これらの例でいうなら
「ホームページを作ることで解決したい課題」
「ホームページを新しくすることで解決したい課題」

のことです。これらの課題がはっきりしない場合、言い換えるとホームページを作ること・リニューアルすることでどのような変化を期待したいのかが具体的に分からない場合、率直に言って課題を解決するにあたっての難易度は高くなると思います。もちろんサイト制作の過程におけるヒアリングで明らかになる部分もあるかと思いますが、WEB制作会社のディレクターもデザイナーも結局部外者です。本当のところはやっぱり「中の人」が一番よく知っています。

2)ターゲットを明確にする

次の作業はターゲットを明確にすることです。

でも実はこのターゲティングが案外難しく、私の経験上クライアント様に「どんなターゲットで考えていますか?」と聞くと、結構な割合で「できれば全部」と言った答えが返ってきます。

もちろん本当に「全部」なら、それに合わせて設計していくことになると思いますが、ヒアリングを進めていく過程で必ず「強くアピールしたい層」「最も重要な層」或いは「ターゲットから外してもいい層」が分かれてきます。

それもそのはず、万人に適した商品やサービスは基本的にありません。

ヒトが絶対必要な衣食住にしても、「ファストファッションとハイブランド」や「一軒家とマンション」「回転寿司とカウンターの寿司」のような違いがあります。自社の商品やサービスにおけるこの違いを例えば「BtoCのビジネス」なら年齢や職業、収入、または趣味や行動によって分類しターゲティングします。

3)商品やサービスの強みを知る

品質や性能が全く同じなら、当然価格が安い方が売れやすいことは間違いありません。「価格的な優位性」が強みとなっているパターンですね。

逆に価格が高くても売れることだってあります。例えば「どうしても明日も欲しい!」というユーザーには価格より手元に届く速さの方が重要です。

従って、ホームページで自社の商品やサービスを紹介するにあたって欠かせないのは「自社の商品やサービスの強み」を明確にすることです。この部分については実際の顧客からの意見が参考になると思います。自分たちが思っている理由ではない場合が案外あることが多いみたいですよ。

4)キーワード設定

例えばイタリアンレストランに行きたい場合どんなキーワードで検索しますか?

私だったら「熊本 イタリアン」か「福岡 イタリアン」です。もっと限定すると「熊本 イタリアン 安い」とか「福岡 イタリアン 個室」とかになってくると思います。この検索方法の傾向は基本的に全員一緒で、要するに「地域名」と「探したいもの」の組み合わせです。プラスアルファで「探したいものの特徴」が追加されます。キーワード設定はこの組み合わせを重視したものにすると最も自社のサービスの特徴や強みを求めているユーザーに届きやすくなります。

5)美しいデザインや言葉は「ほどほど」に

自社のホームページを見にくる人が一番欲しいものは「情報」です。

デザインはその情報がより伝わりやすく見やすくするための手段であり、言葉は分かりやすく正確に情報を伝えるための手段です。もちろん、ファーストビュー離脱を防ぐためのインパクトとしてのデザインだったり、いい意味での想像を膨らませるための美しいコピーライティングを否定するつもりはありません。しかし忘れてはいけないのは、ユーザーはデザインを見るためにサイトを訪れるわけでもなく、詩的な文章を眺めるためにサイトを訪れるわけでも無いのです。

デザイナーはカッコよくデザインしたいし、コピーライターは綺麗な言葉を紡ぎたいでしょう。クライアント様だって、やっぱりオシャレなデザインや綺麗なコピーが魅力的に映るかもしれません。でも注意しなくてはいけないのは、場合によっては美しいデザインや言葉がホームページの目的を邪魔してしまうことだってあるのです。

6)ホームページは育てるもの

ホームページは公開してからが本番。

googleアナリティクス等を活用しながらサイトのアクセス数をチェックしたり滞在時間や離脱ページ、或いはランディングページを確認しましょう。そこから改善箇所を見つけたり、より良い情報を提供するために新たにコンテンツも設けたりすることで、よりユーザーの目的にマッチしたホームページに成長させていきます。

また、ブログを活用したコンテンツSEOも積極的に行うことで、さらにユーザーにとって便利で有益なサイトを構築していきます。これらの活動を継続的に行っていくことでオーガニック検索順位の上昇が見込まれ、更なるアクセス数/集客数のアップが期待できます。

7)まとめ

いかがでしたでしょうか?
ホームページでの集客を求めるためには、いかにユーザーにとって有益な情報を提供することを常に意識する必要があります。同時に、ホームページは継続的に改善していく必要があります。それはデザインやSEOのことだけではなく、常に新しい情報が提供されているWEBの中で私たちも常にアップデートを続けなくては私たちの情報が古いものになっていくからです。

「敵を知り己を知れば百戦危うからず」
孫子の言葉です。

「ユーザーのことを知り、自社の(商品の)ことを知れば百戦危うからず」ですね。