いまさら聞けないオートフォーカスについて【撮影シーン別おすすめAF設定をご紹介!】

オートフォーカスの基本

カメラ初心者方で、「ピントが合わない」「オートフォーカス(AF)とマニュアルフォーカス(MF)の意味がわからない」「オートフォーカスの設定をいまいち使いこなせていない」などの悩みを持つ方は多いと思います。そもそも、オートフォーカスの機能やオートフォーカスにどのような種類があるのか知らない方もいるかもしれません。カメラ自体が自動でピントを合わせてくれるオートフォーカスですが、実は初心者の多くの方が知らない、被写体・撮影シーンによって最適なオートフォーカスの種類や設定があるのです。適切なオートフォーカスの設定ができるようになると、簡単かつ正確にピントを合わせることができます。

そこで今回は、被写体・撮影シーンに合わせたオートフォーカスの種類や設定をご説明します。

オートフォーカスとは?

オートフォーカスとは、ほとんど全てのデジタルカメラに備わっている機能の一つで、オートフォーカスに設定すると、ピントを被写体へ自動的に合わせることができます。オートフォーカスは、通常シャッターボタンを「半押し」することで作動します。一般的にデジタルカメラでは、「半押し」することで自動的にピントを合わせて、「全押し」することでシャッターを切ることができます。

一方、マニュアルフォーカス(MF)は、手動でピントを合わせる機能のことです。基本的に撮影はオートフォーカスで行うことが多いですが、暗所での撮影やマクロ撮影などのオートフォーカスではピントが合わせにくい場合に、マニュアルフォーカスを利用します。手動でピントを合わせるマニュアルフォーカスはピントを合わせる位置が細かかったり(ピント位置が浅い)、わかりにくかったりするシーンや被写体に有効的です。オートフォーカスとマニュアルフォーカスの切り替え方は、カメラやレンズのメーカーや機種によって異なります。

オートフォーカスのメリット

オートフォーカスを使用する主なメリットは以下の3つです。

・素早くピントを合わせることができる
・正確にピントを合わせることができる
・動いているものにもピントを合わせやすい

オートフォーカスのピントを合わせる速度や精度は、カメラのAFシステムやレンズの種類によって大きく異なります。年々、カメラのオートフォーカスの性能は向上しており、基本的には最新モデルや上位期モデルになるほどオートフォカスの性能が高いと言えます。

最新のモデル・上位機モデルの中には、「瞳AF」という、自動で人・動物の顔にピントを合わせることができる機能を備えたものもあります。表情を主として撮影をするポートレート撮影やペットの撮影時にはとても役に立つ機能です。

また、指定した被写体を自動で追尾してピントを合わせてくれる、自動追尾AFを備えたモデルもあります。動きが予測しにくい子供や動物の撮影でも正確にピントを合わせることが可能です。

【主にオートフォーカスを使用する撮影シーン】

・運動会などのイベント
・激しく動くペット
・スポーツの撮影

マニュアルフォーカス(MF)のメリット

マニュアルフォーカスを使用する主なメリットは以下の4つです。

・ピント面が浅い場合にピントを合わせやすい
・コントラストが低い被写体にピントを合わせやすい
・手前の被写体を前ボケさせられる
・暗い場所でもピントを合わせやすい

オートフォーカスは非常に便利な機能ですが、弱点として暗い場所や低コントラストでの撮影など、ピントが合わせにくいシーンや被写体もあります。オートフォーカスでのピント合わせがムスカしい理由は、被写体が見えにくく、カメラが自動で検出するのが難しくなるため。そんな時に活躍するのが、マニュアルフォーカスです。オートフォーカスは「マクロ撮影などピントの合う面が浅い場合」「暗い場所や星空」「コントラストが低い景色・被写体」などの撮影シーン・被写体にピントが合わせにくく、手動でピントを調整できるマニュアルフォーカスだとピントが合わせやすいです。

【主にマニュアルフォーカスを使用する撮影シーン】

・夜景や星空
・花などをマクロ撮影する場合
・色調が豊かではない風景(雪景色・海など)

オートフォーカスの種類

一般的なデジタルカメラには、シャッターを半押しした後のピントの合わせ方が異なる、3種類のオートフォーカスモードがあります。メーカーによって名称が異なり、理解するのが難しく思われるかもしれませんが、機能は同じです。

オートフォーカスのモードによって、適した被写体や撮影シーンがありますので、以降でご説明いたします。

【AF-S】シングル、ワンショット

【AF-S】は「シングル」「ワンショット」などと呼ばれる、オートフォーカスの方法です。”1つ”という名前の通り、シャッターボタンを半押しした際に、一度だけピントを合わせます。一度ピントを合わせると、シャッターボタンを半押ししている間は、ピント位置が固定され続けるのが特徴です。

ピントを合わせた後に、被写体が動くとピントが外れてしまうため、【AF-S】は動きのない被写体の撮影に向いているモードです。ピント位置がずれたり、ピント位置を変えたりしたい場合は、一度シャッターボタンを離して、再度半押ししてピントを合わせることができます。

【向いている被写体・撮影シーン】

・風景、ポートレート、スナップ、物撮りなど

【AF-C】コンティニュアス、サーボ

【AF-C】は「コンティニュアス」「サーボ」と呼ばれる、オートフォーカスの方法です。「continuous=継続的」「servo=自動制御」という意味の通り、シャッターボタンを半押しすると、半押ししている間、被写体にピントを合わせ続けます。条件は画面上のフォーカスポイント(ピントを合わせるポインターのこと)に被写体があること。

フォーカスポイント上に被写体があるかぎり被写体が動いたとしても、シャッターボタンを全押しするまで自動で追従してくれます。向こうからカメラに近づいてくる被写体などを撮影する時に有効です。

【向いている被写体・撮影シーン】

・子供、ペット、スポーツ、飛行機、電車など

【AF-A】AFモード自動切り替え

【AF-A】はシャッターボタンを半押しした際、カメラが被写体の状態を判別して、自動で【AF-S】と【AF-C】を切り替えるモードです。動く被写体がない場合は【AF-S】に、動いている被写体がある場合は【AF-C】に、手動で行なわなくても、被写体に合わせて自動で切り替えてくれる便利なモードです。ただ常にこのモードで撮影していると、たとえば風景だけを撮影したい場合、意図せず鳥などが画面内に入り込むと【AF-C】に切り替わり、鳥の方にピントを合わせてしまうこともあります。初めから撮影する被写体が決まっているのであれば、被写体やシーンに合わせて【AF-S】【AF-C】のどちらかに設定しておくのがオススメです。

【向いている被写体・撮影シーン】

・一度に、動いている被写体と動いていない被写体の両方を撮影したい場合

まとめ

オートフォーカスのメリットや種類・撮影シーン・ピントの合わせ方などをご説明しました。撮影したい被写体・撮影シーンに最適なオートフォーカス設定ができるようになると、撮影自体が一気に快適になり、よりスムーズかつ正確にピントを合わせることができます。いろいろなパターンでオートフォーカスの設定を行なって、ピント合わせの練習をしてみましょう。