デザインをするとき、どのようなフォントを使えば、企業のイメージ、あるいはそのサービスや商品がより魅力的に伝わるのかを考えますよね。それはもちろん、Webサイトのデザインでも同じだと思います。仕組みや特徴を知っていれば、フォントを選ぶうえでの一つの基準になります。今回はデザイナーが知っておきたい、Webフォントの基礎知識をまとめてみました！

「Webフォント」とは？

CSSを使って自由にフォントを表示するための技術である。

Webサイト上に置かれたフォントデータやインターネット上で配布されているフォントデータを読み込んで、文字を表示できるようにした技術のことです。Webデサインにあったフォントを利用できる事や、デザイン性の高い文字も画像ではなく、文字で記述できるので SEO 的に有利であるなどメリットがあります。

Web サイトで使用できるフォントには、デバイスに元々インストールされている「デバイスフォント」と「Web フォント」に別けられます。どちらにもメリットとデメリットがあり、両方について理解する必要があります。

デバイスフォント（システムフォント）

コンピュータにインストールされているフォントのことです。Webサイトを表示する際、CSSで使用するフォントを指定しておき、Webブラウザが端末にインストールされているフォント＝デバイスフォントを用いて文字を表示させています。ユーザーが使用しているオペレーティングシステム（Windows、MacOS など）に標準で搭載されているフォントが含まれます。

システムフォントは、Web ページでの表示速度が早いというメリットがありますが、ユーザーが使用している端末に搭載されているフォントに依存しているため、環境によっては異なるフォントが表示されることがあります。そのため、Web ページをデザインしたときの見た目と、表示されるときのデザインが一定でないというデメリットがあります。

Webフォント

Webフォントとは、サーバーにアップロードされているフォントのことです。Webサイト上でCSSを使って自由にフォントを表示するための技術です。従来のフォントと異なり、閲覧者のデバイスにインストールされていないフォントであっても、サーバーからフォントファイルをダウンロードして表示させることができます。

Webフォントのメリット

• デザインの自由度向上：閲覧者のデバイスに依存せずに、任意のフォントを使用できるため、Webサイトのデザインをより自由に表現することができます。
• ブランドイメージの統一：Webサイトだけでなく、印刷物やアプリなどでも同じフォントを使用することで、ブランドイメージを統一することができます。
• SEO対策：画像フォントと比べてファイルサイズが小さいため、Webサイトの読み込み速度を向上させることができ、SEO対策にも効果的です。
• レスポンシブデザインに適している：Web ページが画面サイズに合わせて、ページ内の要素が最適になるよう再配置されるデザインのことです。ページのレイアウトを変更する際にも、Web フォントを使用することでコンテンツの見た目を維持できます。
• 自動翻訳や音声読み上げのアクセシビリティ対応：Web フォントが設定されたコンテンツはテキスト形式で保存されているため、自動翻訳や音声読み上げソフトウェアなどで読み取ることができます。そのため、視覚障害者や日本語を読むことが難しい場合でも利用ができる、アクセシビリティに配慮したコンテンツにできます。

Webフォントのデメリット

• 読み込み速度への影響：Webフォントを読み込むには、サーバーからファイルをダウンロードする必要があるため、ページの読み込み速度が遅くなる可能性があります。
• ライセンス：一部のWebフォントは、商用利用にはライセンスの購入が必要となります。
• 日本語対応のWebフォントが少ない：文字数の多さやデータ量の多さから、欧文フォントと比べて日本語Webフォントの選択肢が少ないです

代表的なWebフォントサービス

Webフォントを使用するには、以下の代表的なサービスを利用することができます。

• Google Fonts：https://fonts.google.com/
• Adobe Fonts：https://helpx.adobe.com/fonts/using/add-fonts-website.html
• Morisawa Webフォント：https://www.morisawa.co.jp/
• Fontworks Webフォント：https://en.fontworks.co.jp/

Webフォントの上手な使い方

• Webフォントを多用しない：Webフォントはサーバー上に置かれたフォントデータを読み込んで表示しているため、使えば使うほどサイトのパフォーマンスが落ちてしまいます。
• ライセンスや契約内容を確認する：有料・無料にかかわらず、それぞれのフォントのライセンスをしっかり確認しましょう。また、有料のWebフォントの場合など、契約が更新されていないと、いつの間にかデバイスフォントに置き換わっていることがあります。

まとめ

Webフォントは、Webサイトのデザインをより自由に表現し、ブランドイメージを統一することができる便利な技術です。一方で、読み込み速度への影響やライセンスの問題など、いくつかのデメリットもあります。Webフォントを使用する際には、これらのメリットとデメリットを理解した上で、適切なサービスを選択することが重要です。