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2026.05.19
WEBサイト分析に欠かせないGoogle Analyticsの使い方を解説
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【はじめに】
現代のビジネスにおいて、Webサイトは単なる企業のデジタルパンフレットではなく、24時間365日休まずに稼働する営業マンとしての役割を求められています。
しかし、どれほど美しいデザインや洗練されたキャッチコピーを並べたWebサイトであっても、ユーザーがどこから流入し、どのページに魅力を感じ、なぜ途中で離脱しているのかという現実の行動を正確に把握できなければ、売上や集客の最大化(成果の最適化)は望めません。
そこでWebサイト運営において必須となるのが、Googleが提供する無料のアクセス解析ツール「Google Analytics(グーグルアナリティクス)」です。
現在主流となっている最新世代の「GA4(Google Analytics 4)」は、従来の仕組みから大幅な進化を遂げ、AIによる予測機能やユーザー軸での深い行動トラッキングを可能にしました。
本記事では、初心者から中級者のWeb担当者、マーケター、経営者に向けて、GA4の基礎知識、初期設定、主要指標の正しい見方、そして具体的なサイト改善(PDCA)への活かし方まで解説します。
御社のWEBマーケティング戦略において役立てていただけますと幸いです。
1. Google Analytics(GA4)の基礎知識と導入すべき理由
1.1 Google Analyticsとは?
Google Analyticsは、Webサイトに訪問したユーザーの行動データを計測・分析するためのツールです。検索エンジン大手のGoogleが開発・提供しており、世界中の膨大なWebサイトで導入されています。
基本的な機能はすべて無料で利用できるため、個人ブログから中小企業のECサイト、BtoBのコーポレートサイト、さらには大規模なブランドメディアにいたるまで、デジタルマーケティングのインフラとして定着しています。
Google Analyticsを活用する最大のメリットは、感覚や経験則といった不確実な要素に頼るのではなく、客観的な「数字(データ)」に基づいてWebサイトの強みや課題を浮き彫りにできる点にあります。
例えば、以下のような問いに対して明確な答えを導き出すことが可能になります。
- 「今月のアクセス数が急激に落ちたが、その具体的な原因はどこにあるのか?」
- 「Web広告、SNS、SEO(自然検索)のうち、どの施策が最も費用対効果(ROI)が高いか?」
- 「スマートフォンユーザーとPCユーザーで、問い合わせ(コンバージョン)の確率にどのような差があるか?」
これらを可視化することで、限られたマーケティング予算やリソースを最も成果の出る施策へと集中させることができるようになります。
1.2 従来版(UA)と現行版(GA4)の決定的な違い
Google Analyticsを学ぶ上で避けて通れないのが、「UA(ユニバーサルアナリティクス)」と「GA4(Google Analytics 4)」の世代交代です。
長年親しまれてきたUAは2023年7月をもってデータの新規計測を完全に停止し、現在はGA4への完全移行が完了しています。
両者は名前こそ同じGoogle Analyticsですが、その中身や計測思想はまったく別のツールと言っても過言ではないほど激変しました。
主要な違いを以下の表にまとめました。
| 比較軸 | 従来版:UA(ユニバーサルアナリティクス) | 現行版:GA4(Google Analytics 4) |
| 計測の基準(軸) | 「セッション(訪問)」および「ページビュー」単位 | 「ユーザー」および「イベント(行動)」単位 |
| 計測範囲 | Webサイトのみ(アプリは別ツールで管理) | Webサイトとアプリをまたいだクロスプラットフォーム計測 |
| プライバシー保護 | Cookie(クッキー)への依存度が高い | 各国の規制に対応、機械学習によるデータ補完を重視 |
| 分析の自由度 | 固定された標準レポートが中心 | 「探索レポート」により自由度の高いカスタム分析が可能 |
| AI・機械学習の導入 | 一部の自動検出機能のみ | 予測指標(購入確率・離脱確率など)の標準実装 |
この劇的な変化の背景には、ユーザーのインターネット利用環境の変化があります。UAが設計された時代はPCでWebサイトを閲覧するのが主流でしたが、現在はスマホのブラウザで検索し、気になるアプリを立ち上げ、タブレットやPCで購入するといったように、1人のユーザーが日常的に複数のデバイスやアプリを行き来することが当たり前になりました。
UAのページが読まれた回数(ページビュー)を数えるという古い仕組みでは、こうした複雑なユーザー行動を正確に追えなくなったため、GA4ではすべての行動を「イベント」として捉え、デバイスをまたいだ「ユーザー中心」の解析を行う仕組みへと再構築されたのです。
💡 Geminiプロ視点:AI時代におけるGA4の真の価値
Googleの最先端AIであるGeminiの視点から見ると、GA4への進化は単なる画面のリニューアルではなく、「過去の集計ツールから、未来の予測ツールへの進化」を意味しています。
GA4にはGoogleの高度な機械学習モデルが高度に組み込まれており、十分なデータが蓄積されると「今後7日以内に購入(または離脱)する可能性が高いユーザー」を自動で予測(予測指標)できるようになります。
これにより、マーケターは起きてしまった過去の結果を分析するだけでなく、これから起きる未来に対して先手を打つという、AI駆動型の能動的なマーケティング戦略を展開することが可能になるのです。
2. GA4の導入手順と初期設定の完全ガイド
Google Analyticsの重要性を理解したところで、実際に自社サイトへ導入する手順をステップ・バイ・ステップで解説します。
設定にミスがあると、データが正しく計測されなかったり、二重にカウントされて数値が歪んだりするため、慎重に進めていきましょう。
2.1 アカウントとプロパティの作成
まずは、Google Analyticsの公式サイトにアクセスし、お持ちのGoogleアカウントでログインします。
ビジネスで利用する場合は、属人化を防ぐために会社用の共有アカウントを作成することをおすすめします。
- アカウントの作成
管理画面(左下の歯車マーク)から「アカウントを作成」をクリックします。アカウント名には、企業名や組織名を入力します。
データ共有設定にチェックを入れ、「次へ」進みます。 - プロパティの設定
プロパティ名には、分析対象となるWebサイトの名前(例:自社コーポレートサイト)を入力します。
ここで非常に重要なのが、「レポートのタイムゾーン」を「日本」に、「通貨」を「日本円(¥)」に設定することです。
デフォルトの「米国」のままにしておくと、データの集計日付が米国時間基準でずれてしまい、のちの分析に重大な支障をきたします。 - ビジネスの詳細・目的
業種やビジネスの規模、Google Analyticsの利用目的を選択します。
これらは標準レポートの初期構成に影響しますが、後からでも変更可能です。
2.2 データストリームの設定とタグの設置
プロパティの作成が完了すると、データの収集元を指定するデータストリームの設定画面に移ります。
一般的なWebサイトであれば、プラットフォームとして「ウェブ」を選択します。
自社サイトのURL(例:https://example.com)とストリーム名を入力し、「ストリームを作成」をクリックします。
この際、「拡張計測機能」という項目がデフォルトでオンになっています。
これは、ページのスクロール、離脱クリック、サイト内検索、動画のエンゲージメント、ファイルのダウンロードといった主要なユーザー行動を、追加のプログラミングなしで自動的に計測してくれるGA4の強力な機能ですので、必ずオンのままにしておきましょう。
ストリームを作成すると、固有の「測定ID(G-XXXXXXXXXX)」と「タグの設定手順」が表示されます。Webサイトにデータを計測させるためには、この計測タグをすべてのページに埋め込む必要があります。
設置方法には大きく分けて2つのアプローチがあります。
2.3 Googleタグマネージャー(GTM)を使用した推奨設定
ソースコードに直接タグを貼り付ける方法もありますが、今後のマーケティング運用の利便性を考慮すると、「Googleタグマネージャー(GTM)」を介した導入を強く推奨します。
GTMを使えば、HTMLコードを毎回直接編集することなく、管理画面上でさまざまな広告タグや計測タグを一元管理できるようになります。
GTMでの設定手順は以下の通りです。
- GTMのアカウントおよびコンテナを作成し、発行されたGTMのインストールコードをWebサイトの全ページの
<head>内および<body>直後に正しく設置する。 - GTMの管理画面で「タグ」を開き、「新規」をクリック。
- タグの種類として「Googleタグ」を選択。
- GA4のストリーム詳細画面からコピーした「測定ID(G-から始まるコード)」を貼り付ける。
- トリガー(配信条件)に「Initialization – All Pages(初期化 – すべてのページ)」または「All Pages(すべてのページ)」を選択する。
- タグに名前をつけて保存し、画面右上の「公開」ボタンを押して変更をサイトに反映させる。
2.4 導入直後に必ずやるべき3つのマイナー設定
GA4は初期設定のままだと、ビジネス分析において重大な不利益が生じる仕様がいくつかあります。
アカウントを開設したら、すぐに以下の3つの設定を変更してください。
① データ保持期間の延長(最重要)
GA4のデフォルト状態では、ユーザーごとの詳細データの保持期間が「2ヶ月」という非常に短い期間に設定されています。
このままだと、3ヶ月以上前のデータを使った詳細なユーザー分析(後述する「探索レポート」での分析など)ができなくなってしまいます。
- 設定方法
「管理」>「データの収集と修正」>「データの保持」へと進み、イベントデータの保持期間を「2ヶ月」から「14ヶ月」に変更して保存してください。
② 内部トラフィック(関係者のアクセス)の除外
自社の社員やWeb制作会社のスタッフがサイトをチェックするアクセスが含まれていると、データが水増しされ、一般ユーザーの正確な行動が追えなくなります。
- 設定方法「管理」>「データストリーム」>対象のストリームを選択>「タグ設定の構成」>「もっと見る」>「内部トラフィックの定義」をクリックします。
ここで自社のオフィスのIPアドレス(グローバルIP)を登録します。
その後、「管理」>「データの収集と修正」>「データフィルター」で、設定した内部トラフィックフィルターを「テスト」から「有効」に変更することで、関係者のアクセスを完全に除外できます。
③ クロスメドメイン トラッキングの設定(必要な場合のみ)
例えば、自社のコーポレートサイト(example.com)と、同一企業が運営する外部のECカートサイト(example-shop.com)のように、ドメインが異なる複数のサイトをユーザーが行き来する場合、何もしないと別々のユーザーとしてカウントされてしまいます。
- 設定方法
「タグ設定の構成」内の「ドメインの構成」にて、関連するドメインをすべて登録してください。これにより、ドメインをまたいでも1人のユーザーの行動として繋げて分析できるようになります。
3. GA4の画面構成と主要指標(用語)の正しい理解
設定が完了し、データが蓄積され始めたら、いよいよ管理画面を見ていきましょう。
GA4の画面は一見すると複雑ですが、構造と用語の意味を正しく理解すれば、迷うことはなくなります。
3.1 主要なレポートナビゲーション
GA4の左側メニューには、主に以下の4つのコアセクションが存在します。
- ホーム
サイトの現在の概況、リアルタイムの訪問者数、最近閲覧したレポートへのショートカットが表示される総合ダッシュボード。 - レポート
あらかじめGoogleが用意している標準的な集計レポート。
「ユーザーの属性」「集客の経路」「エンゲージメント(行動)」「収益化(ECサイト向け)」など、サイトの健康状態を俯瞰するのに適しています。 - 探索
白紙の状態から、ディメンション(切り口)と指標(数値)を自由に組み合わせて、独自のレイアウトで深掘り分析ができる、中級者以上向けの強力な機能。 - 広告
実施しているWeb広告(特にGoogle広告)の投資対効果(ROAS)や、コンバージョンに至るまでのユーザーの貢献度(アトリビューションモデル)を分析するセクション。
3.2 UAから激変した重要マーケティング用語・指標
GA4を使いこなす上での最大のハードルは、UA時代に慣れ親しんだ指標が廃止・変更された点にあります。
以下の用語は、今後の分析で頻出するため覚えてくと便利です。
① ページビュー(PV)から「表示回数」へ
UAでは「ページビュー(PV)」と呼ばれていた指標は、GA4では「表示回数」という名称に変更されました。
意味合いはほぼ同じですが、Webサイトだけでなくアプリの画面が表示された回数も合算してカウントされるようになっています。
② 「セッション」の定義の変化
セッションとは、ユーザーがサイトを訪れてから離脱するまでの一連の行動の塊(一連の訪問)を指します。
UAでは「日付が変わる」「別の広告から再流入する」とセッションが強制的に途切れて新セッションとしてカウントされていましたが、GA4ではこれらの条件下でもセッションが途切れず、純粋に「30分以上操作が行われなかった場合」にのみセッションが終了する仕様になりました。
そのため、UAに比べてGA4では総セッション数がやや少なくカウントされる傾向があります。
③ 離脱の概念を変えた「エンゲージメント」と「エンゲージメント率」
UAで最もよく使われていた指標の一つに「直帰率(1ページだけ見てすぐ帰ってしまった割合)」がありました。
しかし、直帰率には「じっくり5分間ブログ記事を読んで完全に満足して帰ったユーザー」も、「開いた瞬間に間違えたと思って0秒で閉じたユーザー」も、同じ「直帰(=価値の低いアクセス)」として扱われるという致命的な欠点がありました。
そこでGA4では、ユーザーがサイト内でどれだけ有意義な行動をしたかを表すポジティブな指標として「エンゲージメント」が導入されました。
以下のいずれかの条件を満たした訪問が「エンゲージメントのあったセッション」とみなされます。
- サイトに10秒以上滞在した
- 2ページ以上閲覧した
- コンバージョンイベントを1回以上発生させた
そして、全セッションのうち、このエンゲージメントが発生した割合を「エンゲージメント率」と呼びます。
直感的に言えば、概念的には以下のような関係性になります。
$$\text{エンゲージメント率} \approx 100\% – \text{直帰率}$$
サイト改善においては、エンゲージメント率が高いページほど、ユーザーが真剣にコンテンツを消費している「質の高いページ」であると判断できます。
④ 「ユーザー」と「アクティブユーザー」
GA4のレポートに単に「ユーザー」と表示されている場合、それは基本的に「アクティブユーザー」を指します。
アクティブユーザーとは、上記のエンゲージメントが1秒でも発生したユーザーのことです。
ただサイトを開いてすぐにブラウザを閉じただけのユーザーはカウントから除外されるため、よりビジネスの実態に近い実稼働ユーザー数を把握できます。
4. 目的別:Webサイト分析の具体的な手順と見るべきレポート
ここからは、Web担当者が日常の業務で直面する具体的な疑問に答える形で、GA4の操作手順を解説します。
4.1 「どこから来たのか?」を調べる(トラフィック獲得)
サイトへの流入経路を分析することは、マーケティング施策の成否を判断する第一歩です。
これを確認するには、左メニューの「レポート」>「ビジネスの目標(またはライフサイクル)」>「集客」>「トラフィック獲得」レポートを開きます。
このレポートでは、「セッションのメインのデフォルトチャネルグループ」という切り口でデータが表示されます。
主に以下のチャネルに分類されます。
- Organic Search: GoogleやYahoo!などの検索エンジンからの自然検索流入(SEOの効果)。
- Direct: ブラウザのブックマーク、URLの直接入力、またはアプリのリンクなど、流入元が特定できないアクセス。
- Organic Social: X(旧Twitter)、Instagram、FacebookなどのSNSからの無料の流入。
- Paid Search / Paid Video: Googleの検索連動型広告やYouTube広告などの有料広告からの流入。
- Referral: 他のWebサイトに貼られたリンクからの流入。
【分析の視点】
特定のチャネルからの流入数(セッション数)を見るだけでなく、そのチャネルの「コンバージョン率」や「平均エンゲージメント時間」を横並びで比較しましょう。
例えば、「Organic Search(SEO)は流入数が多いがコンバージョン率が低い」「Organic Social(SNS)は流入数は少ないが、滞在時間が長くコンバージョン率が圧倒的に高い」といった傾向が見えてくれば、「リソースをSNS運用の強化にシフトしよう」といった具体的な次の意思決定が可能になります。
4.2 どのページが読まれているのかを調べる(ページとスクリーン)
自社サイト内のどのコンテンツが人気で、どのページに課題があるかを特定するには、「レポート」>「エンゲージメント」>「ページとスクリーン」レポートを確認します。
デフォルトでは、ページの「URL(ページパス)」ごとに、表示回数(PV)、ユーザー数、平均エンゲージメント時間、コンバージョン数などが一覧で並びます。
URLのままだとどのページか分かりにくい場合は、表の左上にあるドロップダウンを「ページのタイトルとスクリーンクラス」に変更すると、記事のタイトル形式で表示されて視認性が高まります。
【分析の視点】
ここで特にチェックすべきは、「表示回数(アクセス)が多いにもかかわらず、平均エンゲージメント時間が極端に短いページ」です。
これは、「検索結果や広告のタイトルを見て期待して訪れたものの、中身がユーザーのニーズに合っていなかったため、すぐに離脱された」ことを意味します。
このようなページは、導入文(リード文)の見直しや、画像の追加、情報の最新化といったリライト(改善)の最優先対象となります。
4.3 成果(コンバージョン)に繋がっているかを調べる
お問い合わせ、資料請求、商品購入など、Webサイトの最終的なゴールをGA4では「コンバージョン(※最新のUIでは『重要イベント』への呼称変更が進んでいます)」として計測します。
GA4では、すべての行動がイベントとして計測されるため、コンバージョンを測定するためには「特定のイベントをコンバージョンとしてマーク付ける」という作業が必要です。
例えば、お問い合わせが完了した時に表示される「サンクスページ(/thanks/)」へのアクセスをコンバージョンにしたい場合の手順は以下の通りです。
- 「管理」>「データの表示」>「イベント」を開き、「イベントを作成」をクリック。
- カスタムイベント名(例:
generate_lead_thanks)を入力。 - 一致する条件として、
event_nameがpage_viewと等しく、かつpage_locationが/thanks/を含む(または等しい)という条件を設定して保存。 - 数日後、そのイベントが実際に計測されて一覧に表示されたら、右側にある「重要イベントとしてマーク付ける(コンバージョンとしてマーク付ける)」のトグルスイッチをオンにする。
設定完了後は、「集客」や「ページとスクリーン」のレポート内にある「コンバージョン」列で、どの流入経路やどのページが最もゴールに貢献したかを一目で確認できるようになります。
🤖 Geminiによる未来予測:GA4×生成AIの連携が変えるWeb分析
現在、Google Analyticsの管理画面には「Googleアナリティクスへの質問」という検索窓があり、自然言語で問いかけるだけでAIが自動でグラフや数値を生成してくれます。
今後、この仕組みがGeminiのような高度な大規模言語モデル(LLM)とさらに深くネイティブ統合されることで、単にデータを抽出するだけでなく、「先週に比べて自然検索からの流入が15%減少しています。
原因は主要キーワード『Webサイト制作』の検索順位下落です。
競合A社のリニューアルが影響している可能性があるため、以下の見出しを含むコンテンツの追記を推奨します」といった、具体的なコンサルティング提案までをAIがリアルタイムに行う世界がすぐそこまで来ています。
5. GA4の最強機能「探索レポート」を使いこなす
標準のレポート画面は、サイト全体の傾向を「なんとなく」把握するには便利ですが、具体的な改善のアイデアを導き出すには物足りません。
そこで活躍するのが「探索(Exploration)」機能です。
Excelのピボットテーブルのように、自分の好きなデータを組み合わせて、高度なカスタムレポートを作成できます。
初心者がまず導入すべき3つの主要な探索テンプレートを解説します。
5.1 自由形式のレポート(クロス集計)
グリッド(表)形式で、あらゆるディメンションと指標を掛け合わせる最もオーソドックスなレポートです。
例えば、縦軸(行)に「ページのタイトル」、横軸(列)に「デバイスカテゴリ(PC、スマートフォン、タブレット)」を配置し、値に「アクティブユーザー数」と「エンゲージメント率」を設定します。
これにより、「特定のブログ記事が、PCではよく読まれている(エンゲージメント率が高い)のに、スマホで見ると極端にエンゲージメント率が低い=スマホでの表示速度やデザイン、文字の読みにくさに重大な課題がある」といった、デバイスごとのボトルネックをピンポイントで発見できます。
5.2 経路データ探索(ユーザーの足跡をたどる)
ユーザーがサイト内で「どのページからどのページへ移動したのか」を、ツリー状のグラフィカルな図で視覚的に追跡できるレポートです。
「トップページを訪れたユーザーが、次にどのサービスページに関心を持ったか」という順方向の分析はもちろん、「コンバージョン(お問い合わせ完了)したユーザーは、その1つ前、2つ前にどのページを見ていたのか」という逆方向(終着点から遡る)の分析も可能です。
コンバージョンに至るユーザーが必ず通る「キラーコンテンツ(勝ちパターン)」を発見できれば、そこへの導線をトップページやサイドバーに大きく配置することで、サイト全体のコンバージョン数を底上げできます。
5.3 ファネルデータ探索(離脱の穴を塞ぐ)
主にECサイトや、複数のステップがあるフォーム(カート投入 > 顧客情報入力 > 確認画面 > 完了)の分析に絶大な効果を発揮するレポートです。
コンバージョンにいたる各ステップをあらかじめ登録することで、ユーザーが「どのステップで最も多く離脱しているか」を段階的な棒グラフで可視化します。
例えば、「顧客情報入力フォームから確認画面へ進んだ人が80%も減っている」ことが分かれば、フォームの入力項目が多すぎる、エラー表示が分かりにくい、スマートフォンで入力しづらい、といった明確な課題が特定でき、フォーム改善(EFO)の施策へ直結させることができます。
6. Google Analyticsデータを活用した具体的なWebサイト改善手法(PDCA)
アクセス解析は、データを眺めること自体が目的ではありません。
データから課題を見つけ、仮説を立て、サイトを「改善」することこそが本質です。
ここでは、現場で使える具体的な3つの改善シナリオをご紹介します。
6.1 シナリオA:アクセス数は多いが、問い合わせが増えないページの改善
「ページとスクリーン」レポートで、表示回数が非常に多い(上位に入っている)にもかかわらず、コンバージョン(問い合わせなど)がまったく発生していないページがある場合の対処法です。
- 原因の仮説:
ページの内容自体には満足しているが、読み終わった後に次に何をすればいいかの案内(導線)がないため、そのまま離脱している。 - 具体的な改善策:
- 記事の途中や末尾に、目立つデザインの「お問い合わせボタン(CTA)」や「関連資料のダウンロードリンク」を設置する。
- テキストリンクだけでなく、バナー画像を使って視覚的にアピールする。
- 「今なら無料診断受付中」といった、ユーザーが行動を起こすインセンティブ(動機付け)を追記する。
6.2 シナリオB:特定の流入元からのエンゲージメント率が低い場合の改善
「トラフィック獲得」レポートで、例えば「Paid Search(リスティング広告)」からの流入数は急増しているのに、自然検索(Organic Search)に比べてエンゲージメント率や平均滞在時間が極端に低い場合の対処法です。
- 原因の仮説:
出稿している広告のキャッチコピー(訴求)と、クリックした後に表示されるランディングページ(LP)のコンテンツ内容に「ギャップ(乖離)」がある。
または、ページの読み込み速度が遅すぎて、ユーザーがイライラして閉じている。 - 具体的な改善策:
- 広告文で使用しているキーワードやベネフィットが、Webサイトのファーストビュー(最初に目に入る画面)に大きく記載されているか確認し、文言を一致させる。
- Googleが提供する「PageSpeed Insights」等のツールを使い、画像の圧縮や不要なスクリプトの削除を行い、ページの表示速度を改善する。
6.3 シナリオC:SEO(自然検索)の流入が減少したときのリカバリー手順
ある月を境に、自然検索からのアクセスが右肩下がりに落ちてしまった場合のデータ検証手順です。
- 検証ステップ:
- GA4で期間比較(今月と前月、または今年と前年)を行い、サイト全体で一様に落ちているのか、特定のページだけで落ちているのかを切り分ける。
- Google Search Console(サーチコンソール)と連携し、どの「検索キーワード」の表示回数や順位が落ちているかを特定する。
- 順位が落ちたキーワードで実際にGoogle検索を行い、競合サイトがより最新で網羅的なコンテンツを出していないか調査する。
- 競合に負けている部分を補強し、自社独自の最新データや専門家の見解を盛り込んだ「リライト」を実行する。
7. まとめとWeb担当者が持つべき心構え
① 目的のない分析は時間の無駄
ただなんとなく管理画面を開いて「今月のPV数は1万回か、良かった」で終わらせていては、Webサイトは1ミリも改善されません。
「今月は問い合わせを20件獲得する。
そのために、どのページの離脱率を下げるべきか?」というように、必ずビジネスのゴール(KGI・KPI)を設定し、その仮説を検証するためにGA4のデータを使ってください。
② Search Console(サーチコンソール)との連携は必須
Google Analyticsは「サイトに入った後のユーザーの行動」を追うツールです。
一方で、Google Search Consoleは「サイトに入る前の、Google検索画面でのユーザーの行動(どんなキーワードで検索し、何位に表示され、クリック率は何%か)」を追うツールです。
この両者を連携(GA4の管理画面から簡単にリンク可能)させることで、ユーザーの「検索意図(悩み)」から「サイト内での解決・成約」までを一本の線で繋げて分析できるようになります。
③ 定期的なチェックの仕組み化(ダッシュボードの活用)
GA4の操作に慣れるまでは、毎回レポートを深く掘り下げるのは骨が折れる作業です。
そこでおすすめなのが、Googleが提供する無料のBIツール「Google Looker Studio(旧データポータル)」の活用です。
Looker StudioとGA4を連携させれば、毎日見たい重要指標(ユーザー数、PV数、流入経路、コンバージョン数など)だけを1画面にまとめた自動更新型のダッシュボードを簡単に作成できます。
これにより、分析の工数を劇的に削減し、「データの集計」ではなく「サイトの改善案を考える」というクリエイティブな業務に時間を集中させることができます。
データは嘘をつきません。
本記事を参考にサイトを分析することで御社にとって最適なサイト運営ができているか見直す機会になれば幸いです。