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2025.09.10
自治体や市役所ホームページに必要なデザインとは?住民が使いやすいサイトの条件
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自治体や市役所のホームページは、地域住民にとって「最も身近な公共サービスの窓口」です。ゴミ収集日程や災害情報、子育てや福祉の手続き、イベントのお知らせなど、暮らしに必要な情報はすべてここに集約されていると言っても過言ではありません。
しかし、多くの自治体サイトには「情報が探しにくい」「専門用語が多く理解しにくい」「スマホで見づらい」といった課題があります。こうした問題を解決し、住民にとって本当に使いやすいホームページにするためには、デザインと情報設計の見直しが不可欠です。
この記事では、自治体や市役所のホームページに求められるデザインの条件を具体的に解説していきます。
1. 情報を探しやすくするナビゲーション設計
自治体サイトは膨大な情報を抱えているため、「探しやすさ」が何よりも重要です。
情報の整理と分類
- カテゴリごとの整理:子育て、福祉、生活、防災、観光、事業者向けなど、大きなテーマで分ける。
- 利用者別メニュー:「住民向け」「事業者向け」「観光客向け」と分けることで、欲しい情報に最短でたどり着ける。
検索機能の充実
- サイト内検索の精度を上げ、関連する情報をまとめて表示する。
- 「検索候補ワード」を提示し、住民が入力しやすい仕組みを導入する。
よく使うメニューの固定
- 住民票、戸籍、ゴミの日、災害情報など、アクセスの多いコンテンツをトップに常設。
- 季節ごとに需要が変わる情報(確定申告、予防接種、選挙関連など)は、特設ページでまとめて案内。
こうした工夫によって、住民の「探すストレス」を大幅に軽減できます。
2. アクセシビリティへの配慮
自治体の役割は「誰一人取り残さない」ことです。高齢者や障がいのある方も含め、すべての住民が利用できるデザインが欠かせません。
- 文字サイズ変更機能:ワンクリックで大きくできる。
- 色覚バリアフリー:コントラストを強調し、赤と緑の識別が難しい方でも見やすく。
- 音声読み上げ対応:視覚障がい者が情報を取得できるよう、テキスト設計を工夫。
- PDF依存の軽減:多くの自治体が申請書をPDFで配布しているが、スマホでの閲覧や読み上げが困難。HTML化や入力フォーム化が望ましい。
アクセシビリティへの配慮は「義務」ではなく「信頼性の証」。住民の安心感につながります。
3. 緊急時に強いデザイン
自治体サイトが真価を発揮するのは「非常時」です。災害や防災情報の発信は、住民の命を守る重要な役割を担います。
- トップページに緊急情報エリアを常設:災害時は自動的に最上部に切り替わる仕組み。
- 色とアイコンで直感的に表示:「避難」「給水所」「交通情報」などを視覚的にわかりやすく。
- レスポンシブデザイン:スマホからでもストレスなくアクセスできる。
- アクセス集中対策:キャッシュ機能や緊急時専用ページでサーバーダウンを防ぐ。
事前に備えたデザインが、災害時の「生死を分ける」情報伝達につながります。
4. わかりやすい言葉を使う
役所特有の表現は、住民にとって理解しにくいことが少なくありません。
- 専門用語は避け、日常的な言葉に置き換える。
- タイトルと説明文を併記し、誰でも内容が想像できるようにする。
- フォームや申請ページでは、入力ステップを「やさしい言葉」で案内する。
例:
- 「印鑑登録証明交付申請書」 → 「印鑑証明をとる」
- 「国民健康保険被保険者資格取得届」 → 「国保の加入手続き」
伝える相手は専門家ではなく、地域で暮らす住民一人ひとりです。
5. スマホファーストの設計
現在、自治体サイトのアクセスの約7割がスマホからと言われています。PC中心のレイアウトでは、住民のニーズに応えられません。
- 片手で操作しやすいメニュー:指が届く位置にナビゲーションを配置。
- 大きなボタンとアイコン:小さなリンク文字はタップしにくいため避ける。
- 縦スクロール前提の設計:スマホユーザーに馴染みやすい。
- LINE公式アカウントやSNSとの連携:通知やプッシュ型情報配信を組み合わせると効果的。
住民がよく使うデバイスに合わせることが、利用率の向上につながります。
6. デザインで信頼感を与える
自治体のホームページは「行政の顔」としての役割を持ちます。古いまま放置されたデザインは「更新されていない」「信頼できない」という印象を与えかねません。
- シンプルで落ち着いた色合い:ブルーやグリーンなど、安心感を与えるトーンが好まれる。
- 写真やアイコンの活用:文章だけでなく、視覚的に伝える工夫。
- 更新日の表示:情報が新しいかどうか一目でわかることが信頼につながる。
信頼感あるデザインは、自治体そのものへの安心感に直結します。
7. 住民参加型の仕組み
一方的に「お知らせする」だけではなく、住民が主体的に関われる仕組みを導入すると、サイトの活用度は一気に高まります。
- オンライン申請フォーム:窓口に行かずに手続きできる仕組み。
- 意見募集・アンケート:住民の声を行政に反映させやすくなる。
- イベント参加のオンライン予約:地域の行事に参加しやすい環境を整える。
- SNS連携:TwitterやInstagramなど、住民が日常的に使うツールと接続。
「利用するだけのホームページ」から「交流が生まれるホームページ」へと進化させることが、現代の自治体には求められています。
8. 成功事例から学ぶ自治体サイト
実際にリニューアルに成功した自治体の事例から学ぶことも重要です。
- 横浜市:利用者別に「市民の方へ」「事業者の方へ」と情報を整理。検索のしやすさを強化。
- 渋谷区:スマホユーザーを意識したシンプルなUI。防災情報も即座に確認可能。
- 佐賀県小城市:写真やイラストを多用し、視覚的に親しみやすいデザインに。
これらの事例に共通しているのは、「住民目線での情報整理」と「スマホ対応の徹底」です。
9. デザイン会社に依頼するメリット
自治体のホームページを刷新しようとしたとき、「内部の担当部署で更新すればいいのでは?」と思う方もいるかもしれません。確かに日々のお知らせやイベント情報など、簡単な更新は職員が直接行うのが効率的です。
しかし、全体的なデザイン設計やシステムの構築は、専門的な知識と経験が不可欠です。自治体がデザイン会社に依頼することで得られるメリットには次のようなものがあります。
- 最新のデザイン・UI/UXトレンドを取り入れられる
行政サイトはどうしても古いまま放置されやすいですが、プロに依頼することで、住民が直感的に操作できる最新のデザインにアップデートできます。 - アクセシビリティ基準を満たせる
JIS規格やWCAGに準拠したウェブアクセシビリティは専門性が高く、独自に対応するのは難しいものです。デザイン会社であれば、高齢者や障がい者も使いやすい設計をスムーズに実装できます。 - サーバーやセキュリティの強化
個人情報を扱うこともある自治体サイトでは、セキュリティが重要です。攻撃対策や脆弱性の管理も専門家に任せることで、リスクを最小限に抑えられます。
つまり、デザイン会社に依頼することは「見た目を整える」以上に、住民サービスの品質を底上げする投資だと言えるのです。
10. リニューアルの進め方と住民の巻き込み
自治体ホームページをリニューアルするときには、単に担当課だけで進めるのではなく、住民の声を取り入れることが大切です。
- アンケート調査
「どの情報をよく探しているか」「どんな点が不便か」などを事前に調査することで、課題が明確になります。 - ワークショップ形式の意見交換
住民代表や地域団体と一緒に意見を出し合う場を設けると、使う側のリアルな声を反映できます。 - 試験公開とフィードバック
リニューアル前にベータ版を公開し、住民からフィードバックを集めることで完成度を高められます。
このように「住民参加型」のプロセスを経ることで、完成したホームページはより信頼され、利用されるものになります。
11. 将来を見据えた自治体HPの役割
ホームページは作って終わりではなく、運用し続けることで価値を発揮します。今後はさらに、以下のような役割が求められていくでしょう。
- デジタル窓口としての進化
紙の申請書や窓口対応を減らし、オンラインで手続きが完結する仕組みが拡大していきます。これにより職員の負担軽減にもつながります。 - 地域活性化のハブ
観光情報やイベント情報を発信するだけでなく、地元企業や商店街と連携して、地域経済を盛り上げるためのプラットフォームにもなります。 - 防災・減災のインフラ
気候変動による自然災害の増加に伴い、緊急時の情報伝達力がますます重要になります。SNSやアプリと連携したマルチチャネルでの発信が標準になるでしょう。
このように、自治体ホームページは単なる「行政の情報掲示板」から「地域社会を支える基盤」へと進化していくのです。
まとめ
自治体や市役所のホームページは、住民にとって生活の安心を支える基盤であり、行政にとっては信頼を得るための大切なツールです。
- 情報を整理して探しやすくする
- アクセシビリティに配慮する
- 緊急時に強い構造を整える
- わかりやすい言葉を使う
- スマホ対応を徹底する
- 信頼感のあるデザインに刷新する
- 住民参加を取り入れる
- 専門家に依頼し、最新の技術と安心を確保する
これらを踏まえてリニューアルすれば、ホームページは「ただの情報発信の場」ではなく、「地域の暮らしを豊かにする存在」へと進化していきます。
リニューアルを検討する自治体は、単なる見た目の刷新ではなく「住民にとっての使いやすさ」を第一に考えることが大切です。
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