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2025.11.19

ただ翻訳するだけじゃダメ?熊本で成果を出す多言語ホームページ設計とは

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多言語ホームページは、企業が海外市場にアクセスするうえで、今や不可欠な存在です。
特にグローバル展開を目指す企業にとって、多言語サイトは単なる情報提供の手段ではありません。
海外顧客や取引先との信頼を築き、実際のビジネス成果につなげる戦略的コミュニケーション資産です。
しかし現実には、多言語サイトの運用がうまくいかず、成果が出ないケースも少なくありません。
・「とりあえず英語版を作ったが問い合わせにつながらない」
・「更新作業に手が回らず、途中で放置されてしまった」

こうした状況の多くは、多言語化=翻訳と捉えてしまうことに原因があります。
単なる翻訳では、ユーザーの文化的背景や検索行動、UXの違いに対応できず、結果としてサイトの効果が限定的になってしまうのです。

本記事では、成果を生む多言語サイトを作るための具体的なポイントを目的設計・情報設計・翻訳・ローカライズ・デザイン・SEO・運用の観点で解説します。
さらに、BtoB/BtoC別の実践事例を交え、企画段階からすぐに実務に活かせる内容にまとめています。

なぜ翻訳だけでは成果が出ないのか?

1.母語での理解は信頼に直結する

海外ユーザーは、母語で情報を得ることで安心感を得ます。
逆に、翻訳調のぎこちない文章や、文化的背景を無視した表現では、この企業は自分たちの市場を理解していないと判断されることがあります

BtoB事例

日本の産業機械メーカーが、英語サイトで技術仕様を直訳しただけのページを公開しました。
しかし海外の技術担当者が詳細を理解できず、問い合わせがほとんど発生しませんでした。
文章を現地向けに再構成し、導入事例や安全性の説明を追加したことで、海外問い合わせ数が2倍に増加しました。

BtoC事例

化粧品ブランドでは、キャンペーン情報を直訳した英語ページでは購入率が低迷。
ユーザー心理に寄り添った表現に変更し、レビューや使用感を前面に出すことで、ECサイトの購入率が30%向上しました。

チェックリスト(母語理解・信頼性)

✔文章が自然で読みやすいか
✔文化的に違和感がないか
✔専門用語や業界用語が正しく伝わるか

2. 検索キーワードは国ごとに異なる

日本国内で強く検索されるキーワードであっても、海外では必ずしも同じように検索されるわけではありません。
実際に海外のユーザーがどのようなキーワードで情報を探しているかは、文化の違い、購買行動の傾向、市場の成熟度などによって大きく左右されます。

たとえば、日本では比較・格安・おすすめといったキーワードが商品やサービス検索の際に頻繁に使われます。
しかし、英語圏のユーザーは同じ日本語を直訳したキーワードでは検索しません。
代わりにbest(ベスト)・reviews(レビュー)・top-rated(高評価)といった言葉を使って情報を探す傾向があります。

さらに東南アジアの市場では、日本語の検索キーワードと同じ概念を持つ表現でも、情報量として不足していることもあります。
ユーザーは導入事例・レビュー・実績といった実績や評価に基づいた情報を重視して検索することが多く、単純な価格比較やおすすめ情報だけでは十分にニーズに応えられないことがあります。

BtoB事例

日本の産業機械メーカーは英語サイトで仕様一覧を重視していました。
しかし欧米企業は導入事例や稼働効率データを優先して検索します。
そこでサイト構成を調整したことで、問い合わせ数が1.8倍に増加しました。

BtoC事例

日本の食品ブランドが直訳した商品説明ページを公開していました。検索流入が少なかったものの、レビューとランキングを前面に押し出したページに変更したことで、EC売上が大幅に伸びました。

このように、海外SEOや多言語サイトのコンテンツ戦略では、単純な翻訳ではなく、ターゲット市場ごとの検索行動や言語表現に合わせた最適化が不可欠です。

チェックリスト(海外SEO)

✔現地検索ニーズを分析しているか
✔キーワードを直訳で置き換えていないか
✔BtoB/BtoC別に検索意図を区別しているか

3. ローカル特性に合わせないとUXが破綻する

言語が変わると、文章量、改行位置、読み順、画像内テキスト、フォントサイズまで影響します。
右から左に読むアラビア語圏や、縦書き・横書きを併用する中国語圏では、UI設計の前提が大きく異なります。

具体例

・日本語サイトで横並びの製品情報カード → 英語サイトでは縦積みに変更(視線の流れが自然になり、CV率向上)

・中国語サイトでは文字量が短いため、余白を減らし画像比率を増やすデザインに変更(読みやすさ改善)

チェックリスト(UX最適化)

✔文章量や改行位置は適切か
✔画像内テキストは差し替え可能か
✔右→左言語や縦横組み合わせに対応しているか

成果を出すための「本当の多言語サイト設計」

1.言語ごとに異なる目的を定義する

多言語サイトの成功は、言語ごとに目的を明確化することから始まります。
下記のようにターゲットに応じて目的は変わります。
・英語版=海外取引先向け
・中国語版=インバウンド観光
・韓国語版=採用情報
・タイ語版=代理店募集

BtoB事例

工業製品メーカーは、英語サイトで海外企業向け技術資料を重点掲載、問い合わせフォームを複数設置。
結果、欧米企業からの問い合わせ数が前年比1.5倍増。


BtoC事例

化粧品ブランドは中国語(簡体)サイトで、購入前レビューとランキングを強化。
購入率が30%向上しました。

チェックリスト(目的設計)

✔言語ごとにターゲット市場を定義しているか
✔目的に応じたコンテンツ構成がされているか
✔KPIが設定されているか

2.市場・文化背景を分析する

成果を出す多言語サイトでは、単に文章を翻訳するのではなく、市場分析・文化分析を行い、情報設計を最適化します。

・現地検索キーワード調査
・競合サイト分析
・優先情報の見極め(レビュー重視かスペック重視か)
・問い合わせ導線の文化差(電話、フォーム、チャット)
・タブー表現や文化的言い回し

事例

日本の家電メーカーは、東南アジア向けに省エネ強調からレビュー中心にコンテンツを改変し、問い合わせ数が1.8倍になりました。

チェックリスト(市場分析)

✔キーワード・検索意図を現地に合わせているか
✔競合が強調する情報を理解しているか
✔問い合わせ導線を文化に合わせているか

3.URL構造・技術設計でSEOを最適化する

海外SEOでは、サイトの技術設計がそのまま成果に直結します。
特に、多言語・多地域向けのサイトでは、見た目のデザインやコンテンツだけでなく、サイト構造そのものが検索評価やユーザー体験を左右する重要な要素になります。

まず重要になるのが、サブディレクトリ・サブドメイン・ccTLD(国別ドメイン)をどの方式で展開するかというサイト構造の設計です。
どれを選ぶかによって、Googleの地域ターゲティングの認識や運用コスト、ドメインパワーの分散度合いが変わるため、ターゲット国や事業規模に応じた最適な選択が求められます。

さらに、多言語サイトのSEOでは 「hreflang」タグの正しい設定も欠かせません。
これはどのページがどの言語・地域のユーザー向けなのかを検索エンジンに伝えるための仕組みで、ミスがあると評価の分散や誤った検索地域での表示につながることもあり、非常に重要な要素です。

ユーザー体験という観点では、言語切り替えUIの最適化も成果を左右します。
どこから言語を変更できるのか・ユーザーは現在どの言語ページを見ているのか、
使い勝手が悪いと離脱率が上がり最終的にコンバージョンにも影響します。

加えて、運用面と表示速度を担保するうえで、多言語対応に適したCMS構造を採用することも不可欠です。
翻訳管理、言語別ページの紐づけ、URL生成などが適切に機能していないと、更新負荷が上がりパフォーマンスも落ちてしまいます。

そして、海外ユーザー向けの表示速度を向上させるためには、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)を活用した高速化が非常に有効です。
海外からのアクセスは距離やネットワーク環境の違いによってどうしても遅くなりがちです。
ですがCDNを使えば地理的に近いサーバーからデータが配信されるため、ユーザーの閲覧体験が大幅に改善します。

このように、海外SEOではコンテンツ戦略だけでなく、技術面の最適化が成果の基盤となるため、構造設計からUI、速度改善まで一貫した設計が求められます。

チェックリスト(技術設計)

✔hreflang設定は正しいか
✔言語切替はユーザー視点で配置されているか
✔CMSは多言語更新に対応しているか

4)翻訳ではなく「ローカライズ」を行う

多言語サイトでは「翻訳」ではなく、各国の価値観に合わせて意味を再構成するローカライズが不可欠です。
日本ではスペック・安全性・品質保証が重視される一方、
欧米では導入事例や社会的意義、レビューが意思決定の中心になります。東南アジアではコストメリットや即時性が重視されるなど、国ごとに訴求軸はまったく異なります。

そのため、AI翻訳で一次原稿を作りつつ、最終的にはネイティブチェックで自然な文章に整えるハイブリッド方式が最も効率的です。
専門用語や固有表現は翻訳メモリに蓄積していくことで、品質を維持しながら運用効率も高まります。

また、BtoBでは技術的な正確性が、BtoCでは読みやすさや表現の自然さが特に重要となるため、目的に応じたローカライズ設計が求められます。

5.デザイン・UXの言語最適化

多言語サイトのデザインは、言語ごとの文字量差(英語は日本語の約1.5倍、中国語は約0.7倍)を前提に最適化する必要があります。
特にボタン幅・カードレイアウトの調整・画像内テキストの差し替え・右→左言語への対応・フォント可読性の確保などを行うことで、どの言語でもストレスなく閲覧できるUXを実現できます。

6)運用のリアル課題と対策更新フロー

多言語サイト運用の最大の課題は、更新のたびに各言語へ展開が必要になる点です。
理想的なワークフローを紹介します。
日本語の更新 → 翻訳メモリへ反映 → AI翻訳で一次作成
→ ネイティブ校正 → CMSで最終チェック → 各言語で公開

上記のような流れで、これらが整備されていないと情報のズレや更新漏れが発生します。
また、コスト管理のためには翻訳メモリの活用や、コアページを優先して翻訳する方針、画像内テキストを減らす工夫が効果的です。
さらに、言語別アクセス・直帰率・CV率・CTAクリック率・検索キーワードなどのKPIを設定します。
BtoB:問い合わせ・資料請求
BtoC:購入・レビュー投稿
上記のように目的に応じた改善指標を追うことで、継続的に成果につなげる運用が可能になります。

■ まとめ:多言語サイトは単なる翻訳物ではなく、海外戦略の強力な武器

これまで解説してきたように、単純に日本語サイトを翻訳するだけの多言語サイトでは、海外での成果を期待することはできません。
多言語サイトは企業のグローバル展開を支える戦略的資産であり、目的設計から運用体制まで、全体を一貫して設計することが不可欠です。

1. 言語ごとに目的とターゲットを定義する

海外市場は言語ごとに文化、購買行動、情報取得の習慣が大きく異なります。
英語圏ではBtoBなら技術資料や導入事例が重視される一方、中国語圏のBtoCではレビューやランキング、即時性が購買の決め手となる場合があります。
ポイント: 言語ごとのKPIを設定し、目的を明確化してからコンテンツ制作を始めること。
これにより、どの言語でどの施策に注力すべきかが自ずと見えてきます。

2. 翻訳ではなくローカライズを徹底する

翻訳だけでは、言語は置き換えられても価値は伝わりません。
現地の文化や慣習に合わせて文章の構成や表現を調整する「ローカライズ」が必須です。

BtoB:専門性や信頼性を重視した正確な表現
BtoC:感情に訴え、購買意欲を喚起する表現

AI翻訳+ネイティブチェックのハイブリッド方式を活用することで、高速かつ効率的に高品質なコンテンツを制作できます。

3. デザイン・UXも言語ごとに最適化する

文章量や文字幅の違いによって、ボタンサイズ、画像内テキスト、レイアウトなどの調整が必要です。特に右→左言語や縦書き文化の言語では、UX設計が不十分だと離脱率が上がります。

BtoB事例: 技術資料ページを縦スクロール主体に変更したことで、資料ダウンロード率が1.5倍に向上。
BtoC事例: 商品一覧ページのカードレイアウトを言語ごとに調整し、EC購入率が30%向上。

4. SEO・技術構造の最適化で海外検索流入を獲得

多言語サイトでは、サブディレクトリ/サブドメイン/ccTLDの選択、hreflang設定、言語切替UI、CMS構造、CDNによる読み込み速度最適化など、技術面での設計が成果に直結します。
間違った設定は検索流入の大幅減少につながるため、設計段階で正確に対応することが重要です。

5. 運用フローを事前に設計し、継続的に改善する

多言語サイトは公開して終わりではありません。
更新作業、翻訳、ネイティブ校正、公開までの一連の流れをシステム化することで、情報の不整合や放置を防ぎます。
さらに、言語ごとのアクセス解析やKPIモニタリングを行い、改善サイクルを回すことで、成果を最大化できます。

運用ポイント:
翻訳メモリの活用でコスト削減
コアページ優先翻訳で重要情報を常に最新に
言語別KPIで改善点を明確化

6. 成果につながる多言語サイトは「投資」である

適切に設計された多言語サイトは、単なるコストではなく、海外ビジネスの成果を生み続ける投資です。BtoB/BtoC問わず、海外問い合わせ、資料請求、EC購入、ブランド認知拡大など、目的に応じた成果を継続的に上げることが可能です。

・BtoB: 信頼性の確保と商談機会の創出
・BtoC: 購入意欲の喚起と顧客体験の向上

7. 最後に

多言語サイトは単なる翻訳サイトではなく、企業の海外戦略を加速させる「戦略的資産」です。
成功のためには、目的設計・情報設計・ローカライズ・UXデザイン・SEO・運用体制がすべて連動する必要があります。
これらのポイントを押さえ、BtoB/BtoCの特性に応じた最適化を行うことで、多言語サイトは初期投資を超えて、持続的に成果を生む武器になります。

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