印象的に人物を写したい!【ポートレート撮影のコツを大公開】

子どものイベントごとや家族での旅行など人物を撮影する機会はたくさんあります。

一眼レフカメラなどの本格的なカメラを持っている方、または持ちたいと思っている方ならプロカメラマンが撮ったような雰囲気のあるいい写真を撮ってみたいと思うもの。

そのような人物が写っている写真を一般的にポートレートと呼びます。

ポートレート撮影は、建物や景色などの風景などの動きのない被写体の撮影とは異なる難しさがあります。

その時の周りの状況や天気など気にすべきところは多々あり、コツを意識せずに撮影すると、何ともイマイチな写真になってしまいます。

その逆に、光の向きや強さ、ポーズ、構図など少し意識してコツを掴むだけで、魅力的な1枚に仕上げることもできます。

そこで今回は、ポートレート撮影時に意識するポイントやコツ、カメラの設定などを詳しく解説いたします。

ポートレートとは

カメラに興味ある方なら一度は聞いたことがある単語「ポートレート」。

ポートレートとは、肖像画や肖像写真のことです。人がメインの被写体として撮影した写真のことを一般的にポートレートと呼びます。

ポートレート撮影に必要な機材とは

魅力的なポートレートを撮影するためには、機材も重要です。カメラとレンズに分けてご説明いたします。

カメラのボディ

カメラは、一眼レフカメラやミラーレス一眼・高級コンパクトデジタルカメラなどの本格的なカメラがおすすめです。

これらのカメラは、カメラ内部のイメージセンサー(カメラのレンズから入射した光を電気信号に変換し、データ転送を行う、いわばカメラの心臓部。)のサイズが、スマホや通常のコンパクトデジタルカメラよりも大きいのが特徴です。

イメージセンサーが大きいと、光量を多く取り込めるため、薄暗い場所でも明るく綺麗に撮影することが可能です。

また、単純に出来上がりの写真の画質にも大きく左右しています。

そのため、朝日や夕日などの綺麗な光りの下や、建物内でも被写体を美しく魅力的なポートレートが撮影可能となります。

レンズ

おすすめのレンズは単焦点レンズです。単焦点レンズとは、その名前のまま想像できる通り、焦点距離が変えられないレンズのことをいいます。

単焦点レンズはズームができないという不便さはあるものの、その不便さを上回るほどの画質やボケ感を演出し、広角ズームレンズに付き物の「歪み」も抑制してくれます。

何よりもズームレンズよりもF値を下げることができる「明るいレンズ」が多いので、ポートレート撮影では単焦点レンズがおすすめです。

ちなみに焦点距離は80mm~135mmほどの中望遠と呼ばれる焦点距離を選ぶのがおすすめです。ポートレート撮影において、ドラマチックな演出ができるのでとても人気です。

ただし、ある程度被写体との距離をとる必要があるため狭い場所などでの撮影は難しいでしょう。

ポートレート撮影時におすすめなカメラの設定

ポートレート撮影におすすめなカメラの設定は以下の通りです。
(天気がいい日の屋外であると仮定します)

・マニュアルモードに設定
・ISOは100~400
・F2.2~F4などF値は低めに設定
・シャッタースピードは1/250以上
・ホワイトバランスを調整

上記設定をそれぞれ詳しくご説明していきます。

撮影モードをマニュアルモードに設定

撮影モードはマニュアルモードがおすすめです。

カメラ初心者の場合は、どう設定をしていいかわからないためAUTOに設定したくなるかもしれません。

AUTOはF値やシャッタースピードをカメラが自動で設定してくれるため初心者の方でも気軽に綺麗な写真を撮ることが可能です。

しかし、AUTOでは細かな設定ができない為、自分の撮影したいイメージ通りの写真を撮影するのが難しいこともあります。

ポートレート撮影では、光がとても重要な要素となってきます。光をうまく活用するためには、マニュアルモードで手動での微調整が必須です。

値の意味を理解し、コツを掴めば難しいことはないので、ぜひ挑戦してみましょう。

ISO感度は100~400に設定

ISO感度とは、カメラが取り込んだ光を電気信号に変換する際に、光の量をどの程度増幅するか調節する機能のことです。

ISO感度は値が小さいとクリアな画質で、値が大きいとノイズが乗ってしまうという特徴があります。

今回の設定は「天気がいい日の屋外である」ことを想定していますので、できるだけ値を小さく設定しておくのがおすすめです。

F値はF2.2~F4の低めに設定

ポートレート撮影で魅力的な写真だと思わせるコツは、背景をボカすことです。

ごちゃごちゃした背景がはっきり写っていると、被写体の印象が薄まってしまいますよね?

そこで、被写体以外の余計な情報を、うまくボカすことでモデルを際立たせることが可能というわけです。

写真に奥行きが生まれるので、パッと目を引く立体感のある写真になります。

数名のグループでの写真や集合写真、風景写真ではF値を高く設定するのをおすすめしていますが、ボケ感が重要なポートレート撮影では低めのF値に設定するのがポイントです。

シャッタースピードは1/250以上に設定

基本的にポートレート撮影は手持ちで行うことが多くなります。

それは、光のあたり方や顔・体の角度などに合わせて、さまざまな画角で撮影するためには撮影者側が動く必要があるからです。

そこで、ブレない写真を手持ちで撮影するために、おすすめのシャッタースピードは1/250秒以上です。

慣れてきたらもう少し早めても大丈夫ですが、初心者の方や焦点距離が長いレンズでの撮影は1/250秒以上を基準に撮影することをおすすめします。

ホワイトバランスを調整

電球や蛍光灯はものによってはオレンジ色の光や白い光などさまざまですよね。

ホワイトバランスとは、そのような被写体に当たる光の種類によって色味を調整し、「白を白く写す」ための調整機能です。

太陽の光も日の出や正午、夕暮れなどの時間によって色が異なりますので、その色に応じたホワイトバランスを変更することで、イメージに近い写りにすることができます。

ホワイトバランスの種類は、自動で設定してくれるAUTOをはじめ、「太陽光」「電球」「曇天」などメーカーによって様々です。

太陽光など暖色系なら柔らかな印象に、電球など寒色系ならクールで引き締まった印象に、意図的に写真の印象を変えることもできます。

自分の撮りたいイメージによってホワイトバランスを調整してみましょう。

ポートレート撮影時のコツ

ここからは知っておくだけで簡単に使えるポートレート撮影時のコツをご紹介します。

植物を背景に入れる

まずは簡単に取り入れられるコツである、「背景に緑を入れること」。

緑が背景に入るローケーションを見つけましょう。自然な背景になることで、清潔感のある、明るい雰囲気の写真に仕上がります。

被写体と背景の距離をとる

ポートレート撮影において、背景をボカし被写体を立体的に見せることがポイントです。

背景をボカすためには、F値と中望遠の焦点距離のレンズを使うことの他に、背景と被写体の位置関係も大切です。

なるべく背景と被写体の距離を離すことで、背景をよくボカすことができます。

「首」で切らない

被写体の表情にフォーカスして撮影する場合、写真を首の位置で切らないようにしましょう。不安定で違和感のある印象になってしまいます。

表情をアップで切り取りたい場合は、肩の下あたりまで入れて、おでこあたりで切るのがおすすめです。

また、足や手についても同様で、足首と手首できると、どことなく違和感のある写真になってしまいますので、撮影する際にどこまでフレーミングするのかをよく見て撮影しましょう。

被写体をリラックスさせる

当たり前のことですが、モデルが緊張してしまうと表情が硬くなってしまいます。

撮影に入る前に、世間話などなんでもない話などをし、お互いの緊張をほぐしておきましょう。

撮影者側から話しかけたり、笑ってあげるなど、モデルがリラックスして撮影にのぞめる雰囲気を作りましょう。

手前の目にピントを合わせる

基本的にポートレート撮影において、ピントを合わせる場所は「目」です。

理想は両目にピントが合っていることが望ましいですが、角度や向きによって片方にしかピントを合わせられない状況であるなら、手前の目に合わせるのが基本となります。

手前の目がボケていると、ぼんやりとした印象になってしまいます。

まとめ

今回は、ポートレートを魅力的に撮影するための、カメラの設定やコツをご紹介しました。

自分の思った通りに人物を撮影するのは、とても難しいもの。

現場の状況や被写体の心境など、人対人だからこそ写真の中でも奥野深いジャンルです。

しかしポイントを抑えれば初心者でも魅力的なポートレート撮影ができるようになります。