今注目の!YouTube広告について解説【後編】効果的な動画広告の選び方とターゲティングについて
はじめに
多くの方が利用している動画共有サービスの「YouTube」。そのYouTubeに動画広告を出稿するのが「YouTube広告」です。今回は「YouTube広告」についての解説の後編になります。前回の前編ではなぜ現在YouTube広告への出稿が増えているかや動画広告のメリット、動画広告の種類(フォーマット)などについて解説しました。そちらの記事をまだご覧になられてない方は、ぜひそちらからご覧ください。
今注目の!YouTube広告について解説【前編】動画広告のメリットや動画広告の種類(フォーマット)について
後編の今回は前回の内容を踏まえて、「効果的な動画広告のフォーマットの選び方」や「動画広告のターゲティング」などについて解説していきます。お付き合いよろしくお願いします。
効果的な動画広告のフォーマットの選び方は?
さて、前項で動画広告といってもいろんな種類(フォーマット)があることはなんとなく理解いただけたと思います。それでは、実際に動画広告を出そう、とした場合にどの広告フォーマットを使えばいいのでしょう?
これを決める一番のポイントは「広告の目的」です。ユーザーには消費行動におけるフェーズ(段階)があります。そのフェーズは大きく3つに分けることができます。
・【商品・サービスより多くの人に知って欲しい】と言う『認知』のフェーズ
・【商品・サービスを認知し、関心のある人に購入の比較検討を促したい】と言う『比較検討』のフェーズ
・【商品・サービスに高い関心があり、購入などの行動を促したい】『行動』のフェーズ
それぞれの段階のユーザーに向けて広告を出稿するときに、どの広告フォーマットを使うのがオススメなのかを解説していきます。
目的が「認知」の場合のおすすめ広告フォーマット
「認知」の段階のユーザーへのアプローチは「より多くの人にまず知ってもらう」ための広告になります。
この場合、第一におすすめの広告フォーマットは「バンパー広告」です。バンパー広告は前述の通り、スキップされることなく、ユーザーに6秒間の広告を最後まで見てもらえるため、ブランドの認知度を高めるのに非常に適しています。
また、インストリーム広告の中では最も単価が低く、スマートフォンなどのモバイルを中心に配信できるので、より多くのユーザーに配信することができます。
バンパー広告を出稿する際のポイントとしては、6秒間と再生時間が短いため、広告の動画にはインパクトが求められます。短い時間で印象に残るようなクリエイティブ(動画)を制作するのがポイントになります。
次に、「スキップ不可のインストリーム」がおすすめです。インストリーム広告はバンパー広告より時間が長くできるため、より多くの情報を伝えることができます。最長15秒間はユーザーを独占できますので、ブランドの認知度を高めるには適しています。
ちなみに15秒と言う時間は一般的なテレビCMと同じ長さですので、程よく最後まで視聴者に見てもらえやすいのもメリットと言えるでしょう。
もう一つのおすすめは「TrueViewリーチ」です。TrueViewリーチはスキップ可能な広告で、認知度を向上させ、効率的にリーチします。
TrueViewリーチは「視聴回数」ではなく「インプレッション数(表示回数)」を高めるように最適化されます。
この「視聴回数」と「インプレッション数(表示回数)」の違いは、それぞれの重視する点の違いになります。
視聴回数は「しっかり広告を見てもらう」ことを重視しますし、インプレッション数は「スキップされることも踏まえて広告を表示させる回数」を重視します。
ですので、不特定多数のユーザーに認知度を高めるアプローチを行うには「より多くの広告表示」を狙うTrueViewリーチのが向いていると言うことになります。
逆に視聴回数を最大にしたい場合は、後述する比較検討の「TrueViewインストリーム」を選ぶ方が適しています。
目的が「比較検討」の場合のおすすめ広告フォーマット
次は「比較検討」の段階です。この段階のユーザーに対しては「適切なユーザーに広告を表示させ、注目を引き付ける」「ブランドの更なるアピール」を広告で行っていきます。
この場合におすすめの広告フォーマットとしてはまず「TrueViewインストリーム」が挙げられます。広告が再生されてから5秒後からスキップ可能な広告ですが、ユーザーをウェブサイトに誘導するのが目的ですので、広告経由で商品やサービスの情報ページに誘導し、比較検討を促すのに適している広告フォーマットです。
「TrueViewディスカバリー」もおすすめです。この広告フォーマットはYouTube の検索結果や再生画面、YouTubeアプリなどYouTube全体に掲載されます。サムネイル画像とテキストで構成された広告で、ユーザーがクリックすることで初めて再生されます。
ユーザーがYouTube で観たいコンテンツを検索している時や、動画の重要なタイミングで配信されますので、商品やサービスに注目してもらうためには適しています。
目的が「行動」の場合のおすすめ広告フォーマット
最後に「行動」の段階です。行動とはユーザーが広告を経由し、ウェブサイトに誘導後に「資料の請求」や「来店予約」など、広告主の成果として期待しているアクションを起こしてくれることを意味します。
この段階のユーザーには行動を促すためのアプローチが必要になります。そのためおすすめする広告フォーマットは「動画アクション(VAC)広告」です。
動画アクション広告では、行動を促すフレーズとテキストの見出しを表示させることができます。人目を引くオーバーレイという、アクションを促すためにデザインされたフォーマットにより、ユーザーに広告のクリックやWebサイト上での行動を促すことができます。
また、動画広告の終了時には、行動を促すフレーズを含んだ終了画面が自動的に5秒間以上表示されますので、動画を観終わったユーザーへ「最後の一押し」を行うことができます。
動画アクション広告は機械学習により、行動に結びつきそうなユーザーをAIが判断し、そのユーザーへ向けて優先的に広告を表示させるための入札を行うので、より成果の獲得に繋がりやすくなっています
YouTube広告のターゲティング方法は?
次に、YouTube広告の「ターゲティング」について解説していきます。前述の広告フォーマットは広告において「どんな広告を出すか」と言うことであり、対してターゲティングは「いつ・どこに・誰に広告を出すか」を絞り込んで決めることになります。
YouTube広告におけるターゲティング種類は、まず大きく2つに分かれます。一つは広告を表示させる「人」を軸に絞り込む「オーディエンスターゲティング」、もう一つが広告を表示させる「面(場所)」を絞り込む「コンテンツターゲティング」です。
前述した広告フォーマットと、上記のターゲティングを適切に掛け合せて設定することで、より商品やサービスと親和性の高いユーザーに動画広告を届けることができます。
それではオーディエンスターゲティングとコンテンツターゲティングのそれぞれについて解説していきます。
1:オーディエンスターゲティング
オーディエンスターゲティングは、ユーザーの「年齢」や「性別」、「何に興味があるか」、「どんなキーワードを検索しているか」など、「人」を軸に絞り込むものです。設定項目は主に下記の7項目を設定します。
1-1.ユーザー属性グループ
ユーザー属性グループでは、ユーザーの「性別」「年齢」「子供の有無」「世帯収入」などの基本情報を設定し、ターゲットを絞り込みます。
1-2.詳しいユーザー属性
詳しいユーザー属性では、1.のユーザー属性グループよりも詳しい設定で、ターゲットを絞ります。設定項目の例としては、「配偶者の有無」「教育」「住宅所有状況」などで絞り込むことができます。
1-3.ライフイベント
ライフイベントでは、ユーザーにとって人生の節目や転機となるイベントをポイントにした絞り込みが行えます。一例として、「マイホームの購入」「引越」「結婚」「転職」などがあります。
1-4.アフィニティカテゴリ
「アフィニティ」とは「親近感」や「親しみ」という意味の言葉です。アフィニティカテゴリでは「ユーザーの興味や関心、習慣」によりターゲットを絞ります。
アフィニティカテゴリは豊富な項目があらかじめ用意されています。全てはご紹介できませんが例を挙げると「スポーツ」や「ニュース、政治」また「ライフスタイル、趣味」などがあります。
1-5.購買意欲の高いオーディエンス
購買意欲の高いオーディエンスは、前述のアフィニティカテゴリと同様に、「ユーザーの興味や関心のある事柄」で絞り込みます。
どのようにアフィニティカテゴリとは異なるのか?ですが、購買意欲の高いオーディエンスは、ユーザーの単純な興味関心ではなく、「商品サービスの購入を前向きに検討しているユーザー」という点です。
ユーザーの検索や閲覧の履歴から推測される購買意向の強そうなオーディエンスを絞り込むため、購入に至る確度が高いユーザーと言われています。
購買意欲の高いオーディエンスの設定項目は、アフィニティカテゴリと同じく細分化されており、約400項目の中から設定することができます。
1-6.カスタム インテント オーディエンス
カスタムインテントオーディエンスは、今までのターゲティング項目とは異なり、広告主オリジナルのユーザーの絞り込み方を指定するものです。例として「直近で指定したキーワードを使って検索したユーザー」、「指定したURL(またはそれに近しい内容の)サイトに興味のあるユーザー」などに広告を表示することができます。
広告主が指定した商品名(キーワード)などで絞り込むため、より広告主の商品やサービスを購買する意欲の高そうなユーザーを狙っていくことができます。
1-7.リマーケティング
リマーケティングとは、特定の条件に当てはまるユーザーに対して、追客のための広告を表示させるものです。動画広告においては、「YouTubeのある特定の動画を視聴したユーザー」や「ある特定のYouTubeチャンネルに登録をしたユーザー」をリスト化し、リストに含まれるユーザーに対して広告を表示させていきます。
2:コンテンツターゲティング
コンテンツターゲティングは、広告を配信する「掲載面」を軸に広告を配信するターゲットを絞り込むものです。
指定したキーワードやカテゴリーに関連する動画やYoutubeチャンネルに動画広告を表示させることができます。
コンテンツターゲティングでは、主に下記の4つの項目を設定します。
2-1.プレースメント
「プレースメント」では、指定したYouTubeの「チャンネル」や「動画」を視聴した際に、配信することができます。掲載面を比較的ダイレクトに絞り込むことで、狙ったターゲットへ向けた広告配信ができます。
2-2.トピック
「トピック」は、わかりやすく考えると動画の「ジャンル」と言えます。つまり、広告を表示するページのトピック(ジャンル)を選び、関連する動画などに配信することができます。広告主の商品やサービスと同一、あるいは関連性のあるトピックなどを選ぶことで、興味関心がありそうなユーザーへ広告が届きやすくなります。
2-3.キーワード
「キーワード」では、設定した単語やフレーズなどに関連する動画などに配信することができます。前述の「カスタムインテントオーディエンス」でもキーワードによる絞り込みを行いますが、カスタムインテントオーディエンスは「人」で絞り込みますが、こちらでは「動画コンテンツ」で絞りこみます。絞り込みの対象が異なりますので、混同しないようにしましょう。
1-4.デバイス
「デバイス」では、広告を表示させる「ユーザーが使っている端末」で絞り込むことができます。項目としてはモバイル(スマートフォン)、タブレット、パソコン、などに加え、最近YouTubeの視聴が増えているテレビまで、端末別にターゲットを絞りこむことができます。
YouTube広告の効果的なターゲティング方法
さて、ここまでYouTube広告の種類(フォーマット)とターゲティングの詳細について説明をしました。それでは、実際に広告配信のための設定を行う場合、どのようなターゲティングを行えば効果的なのでしょうか。
広告フォーマットの選び方の項でも述べましたが、広告を配信するのには「広告の目的」があるはずです。目的を大きく3つのフェーズに分ければ、
・【商品・サービスより多くの人に知って欲しい】と言う『認知』のフェーズ
・【商品・サービスを認知し、関心のある人に購入の比較検討を促したい】と言う『比較検討』のフェーズ
・【商品・サービスに高い関心があり、購入などの行動を促したい】『行動』のフェーズ
に分けることができます。
この「広告の目的」によって、「どんな広告を(フォーマット)」「どんな人に(オーディエンス)」「どんな場所に・時に(コンテンツ)」表示させるかを絞り込む必要があります。
ここでは、その「目的別」に設定するためのターゲティングを解説していきます。
『認知のフェーズ』におけるターゲティングのポイント
認知のフェーズにおいては、できる限り効率的に、商品・サービスなどブランドの認知度を高ることが重要であり、かつ多くのユーザーに広告を届ける必要があります。
そのためのターゲティングには「広く範囲を取り、あまり絞り過ぎないターゲティング」がお勧めの設定になります。まだ商品・ブランドを知らないユーザーの認知を獲得したい場合には、
・オーディエンスターゲティングで「アフィニティカテゴリ」を設定する
・コンテンツターゲティングの「トピックターゲティング」を設定する
のが基本的にお勧めです。上記の設定により、商品やサービスと関連するカテゴリ、ジャンルに興味のあるユーザーへアプローチすることができるため、広告を視聴してもらいやすくなるのと同時に、Webサイトへのアクセスや商品購入といったアクション直結する可能性も期待できます。
さらに、商品・サービスのブランド価値を高めたい、他社との差別化を図りたいという「ブランディングの強化」を目的にする場合には、
・コンテンツターゲティングの「キーワード」で商品の名称や商品と直接関係するキーワードを設定する
・コンテンツターゲティングの「プレースメント」で他社の競合となるWebサイトをで指定する
などの設定を行うと効果的でしょう。広告主の商品・サービスと類似(競合)するものについて、情報の収集を行っているユーザーに、自社の魅力を的確に伝えるようにすることで、市場での優位性を上げることが可能です。ユーザーがいざ、その商品・サービスが必要となった際に、競合他社ではなく自社を選んでもらえるようになる可能性も高まります。
『比較検討のフェーズ』におけるターゲティングのポイント
比較検討のフェーズにおいては、商品・サービスを認知していて、かつ興味関心の強い、検討してくれそうなユーザーに広告を届ける必要があります。ですので、「動画を見て検討をしてもらえそうなユーザー」に絞り込むターゲティングを行い、広告配信を行うのが効率的です。商品を認知し、かつ興味関心があり、購入を検討しているユーザー向けて広告を配信し、自社を比較検討の候補に加えてもらいたい場合は、
・オーディエンスターゲティングで「購買意向の強いオーディエンス」と「カスタムインテントオーディエンス」を設定する
・オーディエンスターゲティングの「ユーザー属性グループ」で「年齢」や「性別」などを設定する
・アフィニティカテゴリで「興味関心のあるユーザー」を設定する
などを行うのがお勧めです。上記の設定により、認知のフェーズよりさらに自社の商品・サービスの購入を検討してくれそうなターゲットへの絞り込みが可能になります。
『行動のフェーズ』におけるターゲティングのポイント
最後は行動のフェーズです。このフェーズのユーザーには、広告を見た後に実際に行動(購入、登録、問い合わせなど)を起こしてもらうことを求める段階ですので、商品やサービスに既に強い関心のありそうなユーザーにターゲティングを絞り込んで広告を配信するのが効果的です。おすすめのターゲティング方法としては、
・オーディエンスターゲティングの「購買意欲の高いオーディエンス」で商品・サービスの購入を前向きに検討しているユーザーなどに絞り込む
・リマーケティングで「特定の動画を視聴したユーザー」などに絞る
ユーザーにすぐにアクションを起こしてもらいたい場合は、オーディエンスターゲティングの「購買意欲の高いオーディエンス」と「リマーケティング」が効果的です。購買意欲の高いオーディエンスで自社の商品・サービスを設定し絞り込むことで、購入の可能性の高そうなユーザー目掛けて、広告を配信していくと効率的です。
また、リマーケティングの設定で、今までに自社の動画を見たことがあるユーザーを狙って広告が表示できます。コンテンツを視聴したことがある=自社の商品・サービスへの関心が高いユーザーである可能性は高いと判断できますので、追跡して広告を配信し、自社商品について思い出させることで、購入への後押しを期待できます。
また、コンテンツターゲティングのキーワード設定も効果的です。基本的にユーザーはリアルタイムに「今興味がある」コンテンツについての動画を視聴しているので、適切なタイミングで適切なチャンネル・動画に広告を配信できれば、行動へ直結する可能性は高まると言えます。
後編のまとめ
いかがでしたでしょうか。今回はYouTube広告についての解説の後編として、どのように広告のフォーマットを選び、ターゲティングを行っていくと良いかなどについて解説してきました。
YouTube広告は、通常の検索広告やディスプレイにない「動き」や「音」まで使って、自社の商品・サービスを訴求できる、非常に魅力的で可能性に満ちた広告媒体です。これからYouTubeをはじめとする動画広告の分野はますますその市場規模を拡大し、世の中に普及していくことでしょう。
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