【簡単解説】AIDMAってなに?AISASや他の購買行動モデルとの違いって?
みなさん、AIDMA(アイドマ)という言葉を聞いたことはありますか?
企業のマーケティングや広報を行なっているなら、耳にしたことがある方も多いはず。
「顧客の購買行動モデル」を表すとされているこのAIDMA(アイドマ)ですが、
実際にAIDMA(アイドマ)の内容をしっかり説明できる方や、AIDOMA(アイドマ)をもとに行動にうつしてみた!という方は意外と少ないかもしれません。
そこで今回は、企業の広報さんやWEB担当者には知っておいてほしいAIDMA (アイドマ)のこと、そして新たに認知されているAISAS(アイサス)についてわかりやすく解説していきます!
AIDMA(アイドマ)は「購買行動モデル」
AIDMA(アイドマ)は、「顧客の購買行動の流れを表すモデル」です。
顧客が商品やサービスを認知して、購入に至るまでのプロセスをモデル化したもののこと。
たとえば、あなたが新しいテレビを買う時。
「欲しいな」と思うきっかけはテレビCMだったり、インターネットで出てきた広告だったり、はたまたふと立ち寄った電気屋さんだったりしますよね。
では、「買うと決めた」きっかけはなんでしょう。
インターネットで見ていたものを店舗で実際に見てみたことだったり、チラシで安くなっていたり、ホームページで商品詳細を見たことだったり…と様々なケースがあると思います。
AIDMAは「その商品やサービスの存在知った」時から、「買うと決めた時」までの心理的変化や行動をモデル化し、あらわしているものです。
AIDMA(アイドマ)の意味
さて、AIDMA(アイドマ)というものがなんなのかわかったところで、実際にどんなことを表しているのか、言葉の意味を詳しく見ていきましょう。
AIDMAは、5つの英単語の頭文字をとった造語です。
1920年代にアメリカのサミュエル・ローランド・ホールが提唱しました。
1920年代から2020年代となる今まで、100年以上もマーケティングで活用されているなんて、すごいことですよね。
AIDMA 5つのフェーズ
・Attention(認知・注意)
・Interest(興味・関心)
・Desire(欲求)
・Memory(記憶)
・Action(行動)
Attention(認知・注意)
最初のフェーズは認知。商品やサービスを認知することですね。
どんなに素晴らしい商品を作ったとしても、まずは知ってもらわないことには売れるはずがありません。
テレビCMやプレスリリース・WEB広告など、様々な手段でまずは認知してもらって、はじめてその商品やサービスは購入してもらうための1歩を踏み出します。
Interest(興味・関心)
第1フェーズで認知されると、次は興味や関心。
商品やサービスを認知した顧客は、その商品やサービスに対して何らかの感情を持ちます。その中でポジティブな感情(興味・関心)を抱いた人が、次のフェーズにうつります。
つまり、商品やサービスを認知した「見込み客」が興味関心を抱くよう促す施策を行うということ。
商品詳細を載せた折込チラシ、有名人(インフルエンサー等)にレビューしてもらうなどがこのフェーズでの施策にあたります。
Desire(欲求)
興味や関心を抱いたら、その商品やサービスを「欲しい」という感情が芽生えます。顧客がこのフェーズまでたどり着くと、かなり購入へのハードルは下がっています。
実際に商品に触れる企画(無料トライアルや試供品の活用)などで「この商品やサービスはとても良い!自分にとって必要だ!」とさらに強く感じてもらえるようなマーケティングを行います。
Memory(記憶)
前フェーズ(Desire)で「これ欲しい!」と思った顧客が、すぐに商品やサービスを購入してくれるとは限りません。
そのため時間が経って忘れてしまった顧客に商品やサービスのことを思い出させるのがMemoryのフェーズです。
WEB広告ではよくリマーケティングと呼ばれますが、一度興味を持った見込み客を逃さない戦略はとても大切。メルマガやリターゲティング広告、DMなどで、商品のことを思い出してもらえれば、購入に至る顧客の数が増えることが期待できます。
Action(行動)
最後はもちろん、実際に顧客が購入に至るフェーズです。
顧客が「買う!」と決めたタイミングで容易に購入ができるよう、環境を整えておく必要があります。
通販サイトや店頭での準備が、Actionの段階までに揃っていること。
これがAIDMAのゴール、「購入」に至るまでに必要なポイントです。
AIDMA(アイドマ)はもう古い?AISASとの違い
前述したように、AIDMAは100年以上も前に提唱されたもの。
現在のマーケティングにも十分活用できるものですが、一方で2000年代に入り、AISASという言葉が一般に広まりました。
そのキーとなったのが「インターネットの普及」。
2004年に電通が提唱したマーケティング理論であるAISASは、インターネットを利用したユーザーの購買行動モデルの変化に対応したとして、現在マーケティング用語として広く知られています。
AISASも、AIDMAと同じく5つのフェーズの頭文字をとっています。
・Attention(注意)
・Interest(興味)
・Search(検索)
・Action(購買)
・Share(共有)
AIDMAとの違いはSearch(検索)とShare(共有)です。
実店舗に行かず「検索」で情報を得て、購入後にはSNSなどの共有によって消費者側が商品やサービスについて評価を下す、というこの変化。
言われてみれば自分もそうだ……と思いませんか?
AIDMAは決して現在に通用しないマーケティング用語ではありませんが、インターネットというものが日常に溶け込んでいる今、多くの人がより自然な流れと感じるのはAISASということになります。
AISASももう古い⁉︎ その他の購買行動モデル
そしてなんと、現在ではAISASよりも新しいその他の購買行動モデルがいくつも提唱されています。
もう覚えきれない!という方は、ここはスルーしてAIDMAやAISASを自分のプロジェクトにあてはめて考えてみるところから始めましょう!
AISCEAS
・Attention(注意)
・Interest(興味)
・Search(検索)
・Comparison(比較)*
・Examination(検討)*
・Action(購買)
・Share(共有)
AISASに比較・検討が加えられたもの。
情報収集のあとに比較検討を行う、という購買行動モデル。
AIDCAS
・Attention(注意)
・Interest(興味)
・Desire(欲求)
・Conviction(確信)*
・Action(購買)
・Satisfaction(満足)*
AIDMAに、確信・満足が加わったもの。
欲しい、と思った人にその場で「これは良いものだ!買う!」という確信を持たせるため、思い出しのMemoryのフェーズがなくなっています。
さらに、本当に良い商品やサービスを提供することで、顧客満足(Satisfaction)を重視しているのも特徴。
WEBサイト制作を行う者としては、AIDCASはその場で購入や行動を促すLP(ランディングページ)を構成する流れとして利用できるなと思っています。
DECAX
・Discovery(発見)
・Engagement(関係)
・Check(確認)
・Action(購買)
・eXperience(体験と共有)
最後なんてもはや頭文字をとってすらないじゃん…と思ったそこのあなた、私と同じですね。細かいことは気にせず、意味さえわかれば良いやと思いましょう。
AIDMAとはもうAction(購買)部分しか合っていないので、波及したものとして挙げるのはちょっとずれている気もしますが、DECAXはSNSや「コンテンツマーケティング」に適した購買行動モデルだと言われています。
コンテンツマーケティングもSNSも今はマーケティングにとって欠かせない存在ですから、知っておいて(きっと)損はありませんよ!
ちょっと具体的な流れとしてはこんな感じです。
検索エンジンで上位表示されたWEBサイトを発見(Discovery)→ユーザーがYoutubeやSNSなどのオウンドメディアで何度も商品やサービスと接触(Engagement)→ユーザー側が興味のある商品やサービスの良し悪しを確認(Check)→購買(Action)→Experience(体験と共有)で実際に使った商品情報をシェア
他の購買行動モデルと最も違うのは、商品やサービスを提供する企業側ではなく、「ユーザーが主役である」ということ。ユーザー自身が情報を求めてDiscovery(発見)するところから始まるというのがキーですね。発見されるために、企業側がSEO対策やWEB広告などを準備しておく必要があります。
まとめ
さて、今回はAIDMAやAISASなどの購買行動モデルについて解説してみましたがいかがだったでしょうか。
なんとなくの流れで商品販売のマーケティングに携わっていた…というあなたも、明日からAIDMAやAISASを使いこなして「できる社会人」として胸を張れること間違いなしです。
AIDMAの他にも、いくつも購買行動モデルを紹介しましたが、なにより大事なのは知ったことを実践すること!まずはAIDMAから、自分の会社の商品やサービスでどういったことができるか考えてみましょう!
それでは、また次回簡単解説でお会いしましょう~。