【初心者必見】印刷物(チラシ・パンフレット)に適した拡張子について解説!
パソコンなどでファイルを扱うとき、ファイル名の後ろに「.jpg」、「.gif」、「.png」などの英数字が付いており、これらが拡張子と呼ばれることはご存知ですよね。
拡張子は、そのファイルがどんな形式のデータなのかを表しています。
拡張子は音声や画像など扱うフォーマットによって名称が異なりますが、画像データの拡張子にもさまざまな種類があり、その形式によって、印刷に適しているものとそうでないものがあります。
画像の拡張子って色々ありますよね。
どれがどういう特徴を持っているかって知っていますか?
仕事でデザインや印刷に関わる方は、その違いをしっかりと理解しておくことが大切ですよね。
ご存知の方も多いと思いますが、復習がてら、それぞれの拡張子について詳しくご紹介していきます。
今回は、印刷に適した保存形式を知るために知っておきたい、画像ファイルの拡張子について紹介します。
画像の拡張子とは?
私たちが普段使うパソコンの中には、さまざまなファイルが保存されています。
そのファイルの種類や形式を表しているのが、「拡張子(かくちょうし)」と呼ばれるものです。
拡張子は、ファイル名の後ろに、ピリオドで区切られた3~4文字程度の英数字によって、画像、音声、動画、プログラムの実行ファイルなど、さまざまなデータの種類を表しています。
画像ファイルで使われる拡張子は、jpg(jpeg)、png、gifなどが一般的ですが、見た目が全く同じ写真であったとしても、拡張子によってその保存形式は異なります。
それでは、この拡張子は何に使われているのでしょうか?
簡単に言うと
パソコンにファイルの種類を認識させるため
自分がファイルの種類を認識するため
この2つが理由として挙げられます。
印刷に適した画像はどんな画像?
では、印刷物に適した画像はどんな画像でしょうか。
皆さんは印刷物に適した画像の条件は何か知っていますか?
それは
●画像の解像度
●画像の色
の2つです。
画像の解像度
印刷がきれいに仕上がる解像度は、使用する実寸サイズで解像度350dpiです。
一方、Web上の画像はきれいに見えますが、通常は解像度は72〜96dpi程度です。
このように用途によって画像の解像度がそれぞれ設定されており、Web表示用よりも、印刷物の方が一般的に大きな解像度を必要とします。
画像の色
フルカラーで階調が豊かな画像でも、カラーモードという要素があります。
ご存知の方が多いと思いますが、カラーモードにはRGBとCMYKがありますよね。一般的に、RGBはパソコンのWebやモニター等の画面表示、CMYKは印刷物(紙媒体)等で使用されます。
家庭用のカラープリンタやオフィス複合機でプリントする際にはあまり意識することはありませんが、解像度と色については、印刷会社に発注する際にはチェック項目に含まれていることが多いと思います。
また、OfficeのWordやPowerPointの場合はCMYKの画像を扱えないため、印刷会社で印刷前にCMYKに変換したPDF校正の確認が必要です。
印刷に適した画像についてはお分かりいただけましたでしょうか。
次は印刷物に適した拡張子とその特徴についてご紹介していきます。
拡張子の種類と特徴
tiff(tif)
「tiff(tif)」はTIFF形式と呼ばれる画像形式のファイルにつけられる拡張子のことです。
TIFFとは「Tagged Image File Format」の略です。
TIFFは圧縮によってデータ量を抑える処理を行わない、画像の品質を最優先させた画像形式です。
そのため、サイズの大きな画像や高解像度の画像を取り扱う際に向いています。
一般的に印刷物で使われることが多い形式で、さまざまなグラフィックソフトで開くことができ、WindowsやMacなど異なるOSのパソコン間で画像を扱う場合などにも利用できます。
圧縮することがないので画像が劣化することはありませんが、データ容量が非常に大きくなってしまうことがあります。
TIFF形式は、WEB上での表示には対応していません。
お使いの環境によっては、カラーモードをCMYK(※)に変換できるため、印刷物向けとして利用しやすい画像形式です。ただし、グラフィックソフトウェアによっては、対応していない場合もあります。
まとめ
●メリット:画像データを圧縮せずに保存することで画像が劣化せず、JPEGよりもきれいに印刷できる
●デメリット:無圧縮のためファイルサイズが他の拡張子と比べて格段に大きくなってしまう。インターネットに対応していない
jpg(jpeg):ジェイペグ
JPEGとは「Joint Photographic Experts Group」の略でもっとも標準的な画像ファイル形式です。
主に、静止画像データを圧縮する際に用いられ、1,677万色のフルカラーを表現することができるので、写真等の色数の多いものに適したファイル形式です。
データを保存する際に圧縮率を指定することができます。
jpegは一度画像を圧縮してしまうと元に戻せない「不可逆圧縮」という特徴があります。
そのため、画質を下げると元に戻すことができず、保存を繰り返すたびに徐々に画質が劣化していきます。
画像の劣化度合いは保存時の圧縮率で決まります。
印刷用途として使用する場合は、
①データサイズの大きなJPEG形式の元データを用意
②画像編集ソフトで印刷に必要な実寸サイズと適切な解像度(通常のオフセット印刷で350dpi)、およびカラーモードをCMYKに設定
③PSD形式またはTIFF形式で保存
の手順での使用がおすすめです。
JPEG形式は元データをそのまま印刷する場合と、元データとして画像編集ソフトで加工するのには適していますが、JPEG形式のまま編集や保存を繰り返してから印刷するようなケースには向いていません。
まとめ
●メリット:画質を維持したまま、画像の容量を小さくすることができる。
●デメリット:データを保存するごとに圧縮されるため、画質が劣化しやすいということ。圧縮方法の仕様上、図形やキャプチャなどの画像が粗くなりやすい。
psd:ピーエスディ
PSDはAdobeのアプリケーションであるPhotoshopのファイル形式です。
レイヤーやパス、フィルター効果などの編集情報も保存できるので、保存してファイルを閉じた後でも、編集作業を再開することができます。
IllustratorやInDesignなどの編集ソフトで画像を配置する際は、PSD形式の画像の配置が推奨されていることもあり、印刷用の画像形式として従来より使用されてきた「EPS形式」に代わり、最近では「PSD形式」が印刷・DTPでは広く使用されるようになってきているようです。
PSDは汎用性が小さく、Adobeオリジナルの保存形式のため、開くことができるアプリケーションが限られます。
そのため、アプリケーションを持っていない人と画像データのやりとりを行う場合はJPEGなどの汎用性が高い画像形式に保存する必要があります。
また、WEB上での表示もできません。
WEB上に表示する場合はJPEGやPNGなど最適な形式やサイズで書き出す必要があります。
まとめ
●メリット:画像を保存するときには圧縮し、再びファイルを開く時には解凍するため、容量を軽くすることができる。Photoshopで作成した調整レイヤー等の情報も保持したまま保存できる。
●デメリット:Adobeのアプリケーションを持っていない場合は開くこともできない。WEB上での表示もできない。
画像の画質やデータ容量にも影響してくるのでそれぞれの違いを理解し、用途に合わせて使い分けることが必要です。
まとめ
今回は拡張子にフォーカスして、
●拡張子について
●印刷物に適した画像
●印刷物に適した拡張子とその特徴
についてご紹介させていただきました!
拡張子にはWeb上で扱いやすいもの、印刷用として適しているものなどさまざまな種類があります。用途に応じて最適な保存形式を選び、使い分けるようにしていきましょう。
今回は印刷物向きの3つについてのご紹介でしたので次回はWeb表示に適した拡張子をご紹介する予定です!